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5年生の今月の本


がんばれヘンリーくん タイトル がんばれヘンリーくん
著者 ベバレイ・クリアリー
出版社 学習研究社
 

 ヘンリーくんことヘンリー=ハギンズは三年生。なにか、あっというようなことが、おこらないかなあ……いつも、そう思っています。

 そんなヘンリーくんが、いつものようにバスで水泳(すいえい)に行った帰りのことです。ドラッグストアでアイスクリームをなめなめマンガを立ち読みしていると、ゴシゴシゴシという音がしました。ふりむくと、すぐうしろに犬がいて、しきりにからだをかいています。犬は、おなかをすかしていました。ヘンリーくんが食べかけのアイスクリームをやると、犬はひと口でのみこんでしまい、ヘンリーくんについてきました。
「おまえ、うちがないのか。すごくやせてるな、あばら骨(ぼね)がすけて見えてるじゃないか」
 犬は、首輪もつけていません。ヘンリーくんは思いました。この犬、飼えないかなあ!
「おいで、アバラー」
犬の名前はいつのまにかアバラーになっていました。あばら骨が見えているからです。

 ヘンリーくんは、おかあさんに電話をかけ、アバラーを飼ってもいいか聞きました。
「そうね。 でも、バスに乗せてつれて帰ってこなきゃ、だめですよ」
 ところが、 アバラーをつれてバスに乗ろうとすると、
「犬は乗せられないよ」
としかられます。 そこで、犬をあきばこの上にのせてバスに乗りこみましたが、またもや運転手さんに
「バスには乗せられないよ。ダメだ!」
と、しかられました。ヘンリーくんは考えたあげく、ドラグストアでショッピングバッグを買い、その中に犬を入れてバスに乗ることにしました。これでやっとバスに乗れましたが、何と、かくしていたアバラーが紙袋(かみぶくろ)から飛び出し、 バスの中はてんやわんやに――。

 アバラーがきてから一年がたちました。アバラーは、町のドッグショウで「いちばんめずらしい犬」という特別賞をもらいます。ある日、見知らぬ男の子がヘンリーくんをたずねてきました。アバラーの写真が新聞に出たのを見て、もとの飼い主が取り戻(もど)しにきたのでした。アバラーは、その男の子を見て大喜びです。ヘンリーくんは、アバラーを手ばなしたくありませんでしたが「どっちがいいか、アバラーに決めさせよう」と申し出ます。さて、アバラーが選んだのは――。

【 アバラーは、どうということもない雑種の犬。ノミもいるし、エサのおあずけもできませんが、ヘンリーくんには何より大切な愛犬です。アメリカのふつうの子どもの生活が生き生きとゆかいに描(えが)かれているヘンリーくんシリーズ。ぜひ9冊(さつ)全部読んでください。】

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