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> 99ひきのりゅう
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タイトル |
99ひきのりゅう |
著者 |
バーバラ・スレイ |
出版社 |
ベネッセ |
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あつい夏の夜でした。ベンとベスは子ども部屋のベッドの中。
「ねむれなあいっ! あつすぎるよう!」
おとうさんは、
「目をつぶって、ひつじがさくをとびこえるとこを思いうかべてかぞえてごらん。そうすれば、ねむくなる」
といいました。
「ひつじなんて、なきむしだからやだ」
とベン。ベスは、
「そんなことないわよ。ひつじって、かわいいもん」
「ぼくは、りゅうがさくをとびこえるとこにしても、いい?」
ベンもベスも、しっかり目をつぶりました。ベスは、白くてもこもこしたひつじを、一方のベンは、うろこのいっぱいついたりゅうが、さくをジャンプしていくところを思いうかべました。
「りゅうが六十一ぴき、りゅうが六十二ひき……ねえ、ベス、おかしいんだけど……ねむくなるほどりゅうがちいさくなってくるんだ!」
けれどもベスの返事はありません。つづけてかぞえたものの、ほとんどゆめうつつでしたから、九十九ひきめは小ネコぐらいの大きさしかありません。それでも、ちいさな声で
「ひゃっほう!」
とさけび、さくをひらりとジャンプ――するはずでしたが、おっと! さくに足をひっかけると、ベンのベッドのまんまんなかに、まっさかさまに――ドシン! あたりにこげくさいようなにおいが、ただよいました。
ベンはとびおきました。
「みんなについていかなくて、いいの?」
「どうやって?」
「あんなでっかいさく、おいら、こえらんないよう」
なみだがふたつぶ、こぼれおちました。
「おい、おきろよ!たいへんだ!」
りゅうを見たベスはびっくり。
「だからおとうさんのいったとおり、ひつじにすればよかったのよ! 一番最後のひつじなんて、かわいかったわ。五十ぴきかぞえてあたし気もちよくねてたのに」
ところがそのあと、たいへんなことがわかりました。りゅうは、ひつじを大好物(こうぶつ)にしていたのです。
「ベンったら、あたしのひつじが五十ぴきいるとこに、りゅう九十九ひきも入れちゃったの? ひどおい! どうすんのよ!」
一刻(いっこく)もはやく、ひつじにきけんを知らせなければなりません。そのためには、二人してさくをとびこえる必要があります。さあ、ふたりはちっちゃなりゅうを連れてさくをこえ、ひつじたちのところへたどりつけるでしょうか。
【 たいへん楽しい本です。書店で求めるのは困難(こんなん)になっていますので、図書館で借(か)りて読むことをおすすめします。】
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