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ハビービー 私のパレスチナ|6年生|小学生のための読書案内|家庭学習研究社

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6年生の今月の本


ハビービー 私のパレスチナ タイトル ハビービー 私のパレスチナ
著者 ネオミ・シーハブ・ナイ
出版社 北星堂
 

「ヤー、ハビービー、ハビーブティー」
 おばあちゃんは孫娘のリヤーナーの顔をなで、甲高い声で声をあげる。

 はじめてキスを経験した日に、この国を離れるとお父さんは宣言した。

  リヤーナーは14歳、来年から高校に進学し、弟のラフィークは中学に進学する。そうなると海の向こうにある国に行こうなんてますます考えられなくなる。そうお母さんは説明した。

  リヤーナーのお父さんはパレスチナの出身で、アメリカに留学し、アメリカ人のリヤーナーのお母さんと恋をして結婚し、ずっとアメリカに住んでいた。しかし、お父さんはリヤーナーとラフィークにおばあちゃんに会って欲しかった。そのため、エルサレムにある病院へ転職することにしたのだ。

  もっと小さかったら、それは面白そうに思えたかもしれない。リヤーナーはこのとき「移民」という言葉についてこれまでとは違う感じ方をし始めていた。それはいつもと違う感触だった。だって自分が「移民」になるのだから。

  パレスチナで出会ったリヤーナーのおばあちゃんは言葉が通じてなくても、一生懸命リヤーナーのことを気にかけ、愛してくれる。

「ハビービー」とは、大切な人という意味。

  ある日、おばあちゃんが大変な事件に巻き込まれた。それは、アメリカ人、パレスチナ人、ユダヤ人といった民族同士での考え方の違いからくる悲劇だった。

 それでもリヤーナーの両親は、物事を片方だけから見てはならないとリヤーナーに言うのだが……。

【 6年生には少し難しいかも知れませんが、女の子とお母さんには夏休みを利用してチャレンジしていただきたい一冊です。
 本書は紛争の地パレスチナの名を冠する物語ですが、陰惨とした戦争を描くわけではなく、普通に暮らしている人々の生活がつづられており、まるでエルサレムに住んでいるような錯覚さえ起こさせてくれます。また、中立的な考えを持つアメリカ人のリヤーナーの家族の考え方は、私たちにとっても心地よく共感できますし、ちょっとしたことで日本の話が出てきたりと親しみやすさも感じさせてくれる物語です。】

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