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6年生の今月の本


ぼくだけの山の家 タイトル ぼくだけの山の家
著者 ジーン・クレイグヘッド・ジョージ
出版社 偕成社
 

 5月のある日、サムは住みなれたニューヨークの家を出て、キャッツキル山脈の深い山の中へと家出した。最初に、サムの家出計画を聞いたお父さんは大笑いしてこう言ったものだ。
「いいとも、やってごらん。男の子ならいちどはやってみるべきだ」

 実のところ、大人たちは誰もサムの家出が成功するなどとは思ってもいなかった。自分たちも、子どもの頃、サムと同じように家出に挑戦したが、それがすぐさま失敗に終わることをよく知っていたからだ。

 ところが、サムは気にするふうもなく、一人でてきぱきと準備を進め、恐れることなく山へと旅立っていく。そして、なんと一年間もの家出に成功したのだった……!

  時には不安に押しつぶされそうになりながらも、全てを自分で考え、必要なものを自らの手で作り出し、目の前の問題を一つ一つ解決していくサム。やがて、ハヤブサやアライグマなど、森の生き物達とも仲良くなった彼は、美しい大自然の中ですごすうちに、自然とは何か、そして自分とは何かについて考え始めるのだった。

【 家を出て、たった一人で自由に大自然の中で暮らしてみたい――。物語の主人公サムは、自らの知恵と勇気で、誰もが一度は夢見るあこがれの生活を見事に実現させました。作者のジーンさんは、ナチュラリストで科学者だった父親から教わった、森で生き抜くための様々なノウハウを生かしてこの物語を書き上げたそうです。

  大量の情報が猛スピードで氾濫(はんらん)する現代、目の前の物事一つ一つと丁寧に向き合い、辛抱強く待つこと、じっくりと考えて行動することの素晴らしさを実感させてくれるお話です。】

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