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6年生の今月の本


イクバルの闘い タイトル イクバルの闘い
著者 フランチェスコ・ダダモ
出版社 鈴木出版
 

 10歳のファティマはパキスタンのじゅうたん工房で働いていた。

  このじゅうたん工房ではちいさな子たちばかりが働かされていた。その中には足首を鎖で織機につながれている子もいた。そして、脱走しようとしたり、じゅうたん工房のご主人さまに逆らったりなどしたら「お墓」と呼ばれる地下室へ閉じ込められるのだった。

 ファティマはご主人さまに逆らうことなく、これまで「お墓」に閉じ込められることもなく、3年間このじゅうたん工房で働いていた。それは、まじめに働いていけば家族の借金を返し終わって家に帰れると信じていたからだった。

 しかし、ある日じゅうたん工房につれてこられたイクバルという少年は、「借金がなくなることはないんだ」と言った。それはみんなの希望を打ち砕く一言だった。じゅうたん工房の子たちはイクバルを避けるようになってしまった。

 だが、イクバルが自由をつかむためにじゅうたん工房の主人に逆らったことをきっかけに、みんなはいままで絶対に語ることがなかった未来への希望をイクバルを中心にして語り始めるのだった。

【 この物語の主人公、イクバル・マシーは実際にいた少年です。
 以前に紹介した、「ぼく、ママのおなかにいたいの…」の中に出てきたじゅうたん工場のような児童労働に立ち向かい、自分と同じ境遇の子どもたちを救うために勇敢に闘っていました。カナダの少年クレイグも十二歳の時にこのイクバル・マシーの話を知り、児童労働に立ち向かう組織「Free the children」を設立しました。クレイグ少年の書いた本も日本語訳が出ていますので、興味のある方は合わせて読んでみてください。】

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