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6年生の今月の本


ウロコ タイトル ウロコ
著者 澤田 徳子
出版社 教育画劇
 

 病気の母のために薬を探して天台山という深山に迷い込んだ青年は、何日も何日も山の奥をさまよっていた。
 谷川の水を飲み、野生の木の実で飢えをしのぎ、フラフラになりながらもかろうじて命をつないでいたが、ある日の夕暮れ、ついに天を切りさくようにしてそびえたっている、天台山の山頂にたどりついた。
 そこで力尽きた青年が、もうここで死ぬのだろうと人生をあきらめた瞬間、
  ゴゴーッ!!
という大きなとどろきが雲を引きさき、突然雲の下に巨大な黒い影が現れた。
 竜!
 青年は恐ろしかったが、目をつぶることができなかった。この信じられない生きものから目をそらすことができなかった。

 竜が去った後、青年はもう一度竜に逢いたいと、ふるさとの母のことも忘れ、竜を探し求めるのだった。(「竜を見た」)

【 竜のウロコにまつわる5つの短編が収められています。SF調の話もあれば、日本の伝説調のお話もあったりと飽きることなく読ませてくれます。
  ただし、お話はいずれも恐ろしく、人間の残酷さや思いの強さが、暴れまわる竜のように物語全編を貫いています。その力強さにも圧倒される作品です。】

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