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タイトル | わたしの生まれた部屋 | |
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著者 | ポール・フライシュマン | |
出版社 | 偕成社 | |
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ジョージーナの家には、特別なときにしか使われない小さな部屋があります。その部屋は、人がこの世に生まれるときと、この世を去るときにだけ使われる、とても神聖な場所でした。ジョージーナはもちろん、他の姉弟たちもそこで生まれました。そして、ジョージーナの子どもや孫たちも、みんなその小さな部屋で生まれたのです。 そして今――、死を前にしたジョージーナは、再びその部屋のベッドに横たわっていました。ジョージーナは、自分の最後の肖像画(しょうぞうが)を描いてくれた若い画家に、これまでの一生を語ってきかせます。 少女時代、まだ奴隷制度が残るアメリカで、親方のもとから逃げ出してきたコーラという名の女性の奴隷をかくまったこと。母や自分の出産で、命のはかなさと尊さを知ったこと。またときには、伝染病で死の恐怖とたたかったこと……。その経験の一つ一つが、ジョージーナの口から淡々と語られていきます。 長い年月がたつにつれ、ジョージーナの歩んできた道は、一本の大きな河のようにうねり始めます。その流れは、彼女がいなくなった後も決してとぎれることなく、未来へとつながっていくのでした。 【 19世紀後半から20世紀にかけて大きく揺れ動くアメリカの歴史を背景に、同じ時代を生きたごく普通の人々の歴史がゆっくりとつむがれていきます。自分の命につながる多くの人の存在が、とても愛おしく感じられる作品です。ぜひ、親子で読んでみてください。】 |