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6年生の今月の本


ビーバー族のしるし タイトル ビーバー族のしるし
著者 エリザベス・ジョージ・スピア
出版社 あすなろ書房
 

 1768年春のアメリカ大陸。マットと父さんはまだ開拓されていない森の奥に土地を買い、この森に入る最初の白人となった。しかし、そこはもともとインディアンたちが住んでいた土地であり、インディアンたちが白人の文字が読めないことをいいことに、白人が取り上げた土地だった。しかし、マットはそういうことはまだ分からない十二歳の少年だった。

 マットと父さんは二人で土地を切り開き、丸太小屋を建て、トウモロコシ畑を作った。そして夏が近づくと父さんは、母さんと妹のセアラを迎えにマサチューセッツにもどっていった。マットは父さんが帰ってくるまでの六週間、誰もいない森の奥でただ一人、丸太小屋で暮らすこととなった。

 一人でご飯を作り、トウモロコシ畑の世話をして暮らしていたマットだったが、ある日、どうしてもハチミツが食べたくなって、ハチの巣を取ろうとして失敗し、ハチに襲われてしまった。体中をハチにさされたマットは川に逃げ込んだところで気を失ってしまった。

 気がついてみると、マットは家の中に運ばれ、ベッドに寝かされていた。ベッドの横でマットを見ていたインディアンのおじいさんが孫と一緒にマットを助け、マットの家まで運んで手当てをしてくれたのだ。

 マットがマットのあげられる唯一の持ち物である大切な本を差し出しておじいさんにお礼をしようとすると、おじいさんは孫たちが白人にだまされて土地を取りあげられないように、孫に言葉を教えてほしいとたのんできた。

 マットは一生懸命おじいさんの孫のエイティアンに英語を教えようとするが、エイティアンはあまり興味を示さず、いつも不機嫌そうだった。それなのに、逆にマットにインディアンの生活の知恵をいろいろと教え、狩りの獲物(えもの)を持ってきたり、マットが狩りや漁をして食べものを取ってくるのを手伝ってくれるのだった。

【 エイティアンが不機嫌そうな顔をしている理由とは。少年の成長物語としても大変面白いお話ですが、北米先住民族(この本ではインディアン)に何があったのかを知るきっかけにしてもらえたらと思います。】

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