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> ベルおばさんが消えた朝
タイトル | ベルおばさんが消えた朝 | |
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著者 | ルース・ホワイト | |
出版社 | 徳間書店 | |
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一九五三年十月、ベルおばさんは早朝五時に寝床を出たあと、そのまま行方がわからなくなった。 おばさんの車はいつもの場所にあり、昼間着る服も靴もぜんぶ、いつもの場所に置いたままになっていた。 ベルおばさんは、わたしのママの妹だった。ママの両親でもあるわたしのおじいちゃんとおばあちゃんは、ベルおばさんがいなくなった後、ベルおばさんの息子のウッドローを引き取って育てたいとベルおばさんのだんなさんに申し出た。だんなさんはなかなかうんと言わなかったが、半年後、ウッドローはうちのとなりにあるおじいちゃんの家にやってきた。 ウッドローは斜視でぶあつい牛乳瓶の底みたいなめがねをかけていたが、とても話の上手な少年だった。しかも、わたしたちは同い年の十二歳だった。わたしたちはすぐになかよしになり、わたしはさっそくベルおばさんの話をウッドローから聞くことができた。 ウッドローはウッドローたちが住んでいた家の裏に不思議な空間があることを教えてくれた。そこは扇風機にむかってしゃべった時のようなおかしな声が聞こえる場所なのだという。 私たちの住む世界とは別の世界がそこにあるに違いない。ベルおばさんはその二つの世界をつなぐ敷居をまたいで、別の世界へ行ってしまったのではないかとウッドローは話すのだった。 【 「人の見た目」が何人もの人生をおかしな方向にねじ曲げていた世界はとてつもなく重く苦しいものでした。小学生には荷が重いお話かもしれませんが、ウッドローとの会話が大変面白くさわやかで、ぜひ読んでほしいと思いました。保護者の方にとっても興味深い本だと思います。 】 |