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6年生の今月の本


永遠に生きるために タイトル 永遠に生きるために
著者 サニー・ニコルズ
出版社 偕成社
 

 ぼくとフェリックスは病気なので学校にいかない。そのかわりに先生がぼくんちにやってきて授業をする。

「せっかく病気だってのに、算数やらされんのかよ」

 ぼくらの学校第一日目に、フェリックスが言った。

 フェリックスは、ぼくより一つ年上で、ぼくが去年入院していた時に病院で出会った友だちだ。

 フェリックスが授業を受けにぼくんちにやってくるのは、ひとつはぼくに会うため。もうひとつは、フェリックスにつきっきりのお母さんにひと息つかせるためだった。

 フェリックスは授業中、ぼくのやることにケチをつけたり、授業に関係のないことを言ったりする。それで、このごろ、先生はフェリックスの興味をひこうとあれこれ考えてくるようになった。古代ローマ人の食べていたものを料理するとか、虫めがねで火をおこすとか。

 ところが、きょう、先生は、「ちょっと書きものしてみない?」とぼくたちに言ったんだ。

 そこで、ぼくは自分のことを書いてみた。

 

   ぼくの名前はサム。11歳。
   ものがたりや、ウソのようなホントの話を集めている。
   白血病におかされている。
   きみがこれを読むころ、ぼくはたぶん、この世にいない。

 

 ぼくは、もうじき死んじゃうのに、だれもなんにもおしえてくれない。なにを訊(き)いても、せきばらいして、みんな、あわてて話をそらす。

 ぼく、大きくなったら、科学者になる。そして、だれひとり答えを知らない、ありとあらゆるこの世の疑問に、答えを見つけだしてやる。

【 もうすぐ自分が死ぬことを知っているサムは「死」について、懸命に答えを見つけだそうとします。どうしたら、自分は死んだんだってことがわかるのか? どうして人は死んでしまうのか。サムが答えを見つけ出すためにとった行動とは。】

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