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6年生の今月の本


ティムール国のゾウ使い タイトル ティムール国のゾウ使い
著者 ジェラルディン・マコックラン
出版社 小学館
 

 征服と略奪(りゃくだつ)を繰り返す世界の征服者ティムールの遊牧軍。遊牧軍は向かった先で都や街をおそい、夜になれば草原へ天幕(てんまく)をはってねむる。遊牧軍には大人の男だけでなく、女や老人、子どもまでいた。

 遊牧軍の少年ラスティは、戦士の一人としてインドの都デリーへ攻め込んだ。ところが、恐ろしい怪物がラスティ達のゆくてをはばんできた。

 ラスティ達がはじめてみた怪物。それはゾウだった。ゾウの背中には、かごがとりつけてあり、そこから槍(やり)や矢や火炎(かえん)びんのようなものが雨あられとふってきた。

 それでも、ゆうもうなティムールの戦士たちは、この怪物を率(ひき)いたデリー軍をおいやることに成功した。

 逃げていくデリー軍の中の怪物の一頭が逃げおくれ、丘のむこうへころがり落ちていった。みな恐ろしがって近づこうとしなかったが、そこへティムールがやってきた。ティムールはラスティにこの怪物を捕虜(ほりょ)にするよう命じた。

 ラスティは勇気をふるって怪物に近づいた。すると、怪物の横にたおれている少年がいた。

 ラスティは短剣をひきぬいた。いま、はじめての戦争で、最初の敵を殺そうとしているのだ。

 ゾウ使いの少年カヴィは、自分の目の前で短剣をひきぬいたティムールの少年戦士を見あげた。カヴィはゾウに、この悪魔をやっつけさせ、その間に逃げようと考えた。
「立て、ムウムウ! さあ、こいつを殺せ!」
  カヴィの命令でゾウは立ちあがろうとしたが、すぐにひざをついてしまった。カヴィは悲鳴をあげ、泣きくずれた。

 すると、ゾウは長い鼻をのばしラスティの両ももに巻きつけ、地面からもちあげた。

 そして、自分の首の上にラスティをすわらせた。つづいてすばやく、カヴィも自分の背中に乗せたのだった。

【 敵同士の二人の少年がゾウの背中の上に。カヴィとラスティ、二人の運命は?】

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