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> あたらしい図鑑
タイトル | あたらしい図鑑 | |
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著者 | 長薗 安浩 | |
出版社 | ゴブリン書房 | |
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ヘンペイソクの治療のために訪れた病院で、ぼくはとても背の高いおじいさんと出会った。 おじいさんの名はムラタさん。生まれて初めて身長百九十センチ以上の生身の人間に出会ったことに興奮したぼくは、治療が終わると看護師さんにムラタさんのことを聞いてみた。ムラタさんは詩人で、教科書にも詩がのっていた人らしい。 一週間後、捻挫(ねんざ)の回復具合を調べるために病院を訪ねると、ムラタさんも病院に来ていた。ムラタさんから診察後、遊ばないかと誘われて、ぼくはムラタさんの家に遊びにいった。表札をみて、ムラタさんが村田さんだとぼくは知った。 村田さんの家のベッド脇の壁には画用紙サイズの紙が五枚画鋲(がびょう)でとめてあった。この五枚の紙にはいろんな物が貼りつけてあった。透明なビー玉や動物のひげ、乾ききった葉っぱ、インスタントカメラで撮られた村田さんの顔写真などが接着剤やビニールテープなどで貼られていた。 村田さんは、 村田さんは自分のもやもやを貼りつけた画用紙を集めて製本しては『あたらしい図鑑』と名付けていた。ぼくのもやもやがたまったら、ぼくの『あたらしい図鑑』を作ってくれるという。 ぼくは村田さんのことがもっと知りたくて、村田さんの詩を調べに図書館に行った。そこで村田さんの詩をかっこいいといった女子に出会った。それ以来ぼくは彼女のことが頭からはなれなくなってしまった。村田さんの詩を理解できないうちは彼女とまともな会話もできない気がして、ぼくはわからない言葉を辞書で調べるようになっていった。 【 主人公は十三歳。初恋、第二次性徴、カマブタと呼ばれてもにこにこしているような心やさしい女の子のような親友。それらに囲まれながら、村田さんを追ってぼくは言葉の森の中に足を踏み入れます。】 |