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6年生の今月の本


ナゲキバト タイトル ナゲキバト
著者 ラリー・バークダル
出版社 あすなろ書房
 

 九歳で両親を交通事故でなくした私は、祖父にひきとられた。

 祖父はいつも笑っている、武骨な田舎者だったが、心のあったかい、ほんとうにいい人だった。

 祖父の家で暮らしはじめた年、私は夜よく泣いた。そんなとき、祖父はとんできて、太い腕に私を抱き、祖父の子どものころの話をしてくれるのだった。

 祖父と私はよく釣りに出かけたが、祖父はいくらせがんでも、狩りはいけないと言うばかりで、狩りに連れていってくれなかった。

 夏のはじめに、狩りが好きなチャーリーという友だちができた。チャーリーは狩りに行こうと私をそそのかしたが、祖父が何と言うかわかっていたから、チャーリーの誘いにはのらなかった。しかし、何度も言われるうちに私の決心はゆらいでいった。

 そして、とうとう、私は祖父に畑をカラスが荒らすとうそをついて、祖父と銃をもって畑に出かけた。もちろん、畑を荒らすカラスなどいない。祖父は大きな日陰を作っている木の下でひと休みするうちに眠ってしまった。

 畑の柵のそばに、胸だけぼうっとピンクがかった鳥があらわれた。カラスではなく、見たことのない鳥だった。私は眠っている祖父のポケットからそうっと弾を取りだし、銃に弾をこめ、鳥をねらった。

【 遊びで狩りをするのは人間のいちばん嫌なところだ。動物にも生きる権利がある。という祖父の教え。生きるということの貴い意味と、罪を犯してしまった時に責任をとるとはどういうことかということを、私は自らの行動と祖父の悲しい過去から学んでいきます。】

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