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6年生の今月の本


とむらう女 タイトル とむらう女
著者 ロレッタ・エルスワース
出版社 作品社
 

 その人がうちでくらすようになったのは、あたしが十一歳のときだった。

 その人は、パパのお姉さんで、「おとむらい師」と呼ばれていた。意味はわからなかったけれど、人の死と関係があるんだろうなとは思った。ママを亡くしたばかりなのに、人が死ぬ話なんかききたくない。

 ママが亡くなるちょっと前にいってたっけ。

「イーヴィ、フローおばさんを大切にして、仲よくするのよ。おばさんは、ママのかわりにあなたとメイのめんどうをみてくれるんだから」

 妹のメイはフローおばさんにすぐになついた。

 だけど、あたしはフローおばさんと仲よくする気にはなれなかった。

 おばさんのことや、おばさんのもってきたおとむらいの時に使うらしいへんな箱や、おとむらい師という仕事のことは気になっていたけど、無口なパパとはそんな話もできなかった。

 ある日、おばさんとパパとメイといっしょに公園へ出かけた。おばさんはYの字のような枝をさがしはじめた。さっそくメイがおばさんを手伝いはじめた。

 ああ、いやだ。あたしはふたりのようすを見ながら思った。だけど、いつのまにかあたしもふたまたになった枝をあつめはじめてしまっていた。

「たき火でもするの?」

 あたしはたずねた。

「これはね、おとむらいのしたくをするときに使うのよ」

 あたしは、思わず悲鳴をあげそうになって、手から枝をばらばらっと落とした。なんで、死んだ人に枝なんか必要なの?

【 物語の舞台は十九世紀半ばのアメリカです。フローおばさんの「おとむらい師」という仕事は、遺体の埋葬の準備を整える無償の仕事です。

 死を怖いと恐れていたイーヴィが、悲しみにくれる家族の手伝いをするフローおばさんの姿を通じて悟ったものとは。】

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