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6年生の今月の本


11をさがして タイトル 11をさがして
著者 パトリシア・ライリー・ギフ
出版社 文研出版
 

 十一歳の誕生日を明日にひかえたサムは、家の中に隠してあるはずの誕生日プレゼントのありかをずっとさがしまわっていた。今年こそもらう前にプレゼントを見つけて、おじいちゃんたちをびっくりさせてやるのだ。

 屋根裏にしのびこんだサムは箱を見つけた。これかもしれない。わくわくしながら箱の上にかがみこんだが、それはがっかりするほど古くさい金属製の箱だった。しかもカギつきだ。

 ふたの間に新聞の切りぬきがはさまっている。サムはその新聞記事に目をとめた。そこには、大きな活字の下に、男の子の写真があった。その子はどこかで見たことがあるような服を着ていた。

 サムははっと息を飲んだ。すごく小さいけれど、これはぼくじゃないか! なんで新聞に出ているんだろう?

 その新聞から読み取れたことは二つ。ぼくの名前はサム・マッケンジーなのに、その新聞の子どもの名前はサム・ベル。そして、その子は行方不明になった子どもだという。

 ぼくには両親がいない。今はおじいちゃんのマックといっしょに楽しくくらしている。
なのに、「行方不明」だって? 「サム・ベル」だって? つまりぼくはマックにゆうかいされたってことだろうか? だったら、マックはぼくのおじいちゃんじゃないってことになる。

 でも、この家を離れたくない。木工細工のつくり方を教えてくれるマック。いつもおいしいご飯を食べさせてくれるお隣に住むサンドイッチショップのオンジ、そして、文字をうまく読み書きできないサムのために読み聞かせをしてくれるアニマ。この三人のいない場所には行きたくない。

 記事はまちがいなのか。それとも、文字をうまく読むことのできないサムの読みちがいなのだろうか。

 次の日、サムは本ばかり読んでいる転校生の女の子キャロラインに、サムの代わりに新聞の記事を読んでもらおうと声をかけた。

 キャロラインはその話に興味しんしんだったが、家の都合でいつまた転校するかわからない状態だった。キャロラインの転校までにサムの秘密を解き明かさなければならない。二人はマックに気づかれないようにサムの秘密を調べはじめた。

【 文字が読めないサムはキャロラインの助けを借りて新聞の記事やインターネットを使い、自分の出生の秘密に迫ります。引っ越してばかりで友だちも作らず引っ込み思案のキャロラインもまた、サムを助けることで積極的な子どもへと成長していきます。】

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