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6年生の今月の本


西の魔女が死んだ タイトル 西の魔女が死んだ
著者 梨木 香歩
出版社 小学館
 

 中学校に入学してまもなく、まいは学校に行けなくなった。ママは自分の母である「西の魔女」に、まいを預ける。「西の魔女」と呼ばれているおばあちゃんはイギリス人。

 静かな山あいで、自然を相手におだやかに暮らしている。「まいと一緒に暮らせるのは喜びです」と力強く言ってまいを迎えてくれ、何ごとにつけまいのよさを認めてくれるおばあちゃんと暮らすうち、まいの心は次第にいやされていった。

 おばあちゃんの祖母が体験した不思議なできごとを聞き、自分が魔女の家系に生まれたことを知ったまいは、自分もそういう能力を持ちたいと思い始める。
「魔女になるために、いちばん大切なのは、意志の力。自分で決めたことをやりとげる力です」
おばあちゃんの指導で、まいは生活を立て直すことにした。早寝早起き、家の仕事――野いちごのジャム作りや畑仕事、そして午後は自由に勉強。おばあちゃんが教えてくれる魔女修業は、まいには新鮮で面白かった。

 だが、近所に住むゲンジという男に、まいは初めからうさんくさいものを感じる。まいのことを聞こえよがしに
「外人とこの孫じゃ。学校怠けて遊んどんじゃ」
と言うのを聞いて、まいの気持ちは憎しみに変わった。おばあちゃんが飼っていた鶏たちを襲って殺したのはゲンジのところの犬にちがいない。それに、こっそりおばあちゃんの土地を切りくずして自分の土地にしている現場だって見た。

 はげしいことばでゲンジをなじるまいを、おばあちゃんは
「心が憎しみに支配されてはいけない」
とたしなめ、まいの頬を打ちさえする。まいは初めておばあちゃんに反発を覚えるが――。

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