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> 言葉屋5 いろは暗号歌
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タイトル |
言葉屋5 いろは暗号歌 |
著者 |
久米 絵美里(作) もとやま まさこ(絵) |
出版社 |
朝日学生新聞社 |
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「そもそも言箱のシステムは、おかしい」
詠子の中学に入って初めての春休みは、語くんのそんな一言からはじまった。ここは喜多方屋の店内。詠子のおばあちゃんと同じ、言葉屋を営んでいる語くんのおじいさんとお父さんのお店だ。詠子たちは、喜多方屋の定休日に店内を会議室として使わせてもらっていた。春休みにこれからの言葉屋について考える会議をしようと言い出したのは語くんだった。先日とあるグループディスカッションに参加した語くんは、会議の楽しさに目覚め、会議をしたくてしかたない病にかかっていたのだ。
詠子と語くんが、「言箱」について会議をしていると、
「語!たいへんだ!秘密あらしが出たらしい。となり町にある言葉屋に昨日の夜、誰かが侵入したらしいんだ。店の売り上げや商品には一切手はつけられていなくて、言箱だけが荒らされていたらしい」
前ぶれもなく、お見せのカウンター横のドアがいきおいよくあいて、はじけるような声が飛び込んできた。ふたりが同時に振り向くと、そこにはあせったようすの語くんのお父さんが立っている。
言箱は口にしたかったけれどしなかった言葉が封じられたもの。つまり、言い換えると、人の秘密が隠されているものだ。それが荒らされたとなると、その犯人は確かに「秘密あらし」にちがいなかった。
● 言葉屋とは、言葉を口にする勇気と、言葉を口にしない勇気を提供するお店です。言葉屋シリーズの5作目にあたる本作品は、「秘密あらし」が喜多方屋に表れ、そこに残された「暗号」の解読に詠子たちが挑んでいくお話です。今作品も、“言葉にまつわる”要素がたくさん盛り込まれています。そのため、読みながらも情報で頭がいっぱいになってしまうかもしれません。そんなときは、まずはストーリーだけをとらえて、純粋にお話を楽しむ。そして、再び細かな言葉を一つひとつ拾いながら読み直してみてください。
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