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6年生の今月の本


助っ人マスター タイトル 助っ人マスター
著者 髙森 美由紀(作)
出版社 フレーベル館
 

「助っ人マスタ~」休み時間、日直の代わりに黒板消しをしていると、あまえた声に呼ばれた。ふりかえると、林さんが、鈴木さんをともなって申し訳なさそうな顔で近づいてきた。助っ人マスターというのは、五年一組特有の係。他の係や先生がいそがしいときに手伝ったり、困っている人を助ける役で、図書係や体育係など、いくつかある係のうちのひとつだ。あたしには、伊藤砂羽っていう名前があるのに、係の名前で呼ばれている。
 ある朝、先生が教室を見まわして、「マラソン大会のことなんだがな」と言うと、見事にみんなが下を向いた。それぞれの頭から、嫌な予感が立ち上っているのように見える。先生はみんなをちょっと気の毒そうにながめたが、話を取り下げるつもりはないようだ。「出場者がたりないそうなんだ。出てくれる者はないか」だれもが机に頭がめりこむほどうつむいた。「推薦でもいいぞ」その言葉をきいたとたん、みんなが一斉にあたしに注目した。

● 主人公の砂羽ちゃんは、ある事件から、誰かのお願いを断るのが苦手です。そのため、「助っ人マスタ~」というクラスのお願いを断れず、毎回引き受けてしまいます。誰も参加をしたがらないマラソン大会も、運動が大嫌いにもかかわらず、断れずに引き受けます。さて、砂羽ちゃんは無事にマラソン大会を走りきれるでしょうか?そして、「誰かの頼みを断れない」自分を変えることができるでしょうか?

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