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6年生の今月の本


月にトンジル タイトル 月にトンジル
著者 佐藤まどか(作)佐藤 真紀子(絵)
出版社 あかね書房
 

 じいちゃんのおみまいに病院に行ったとき、ねえちゃんとかあちゃんがいないすきに、じいちゃんはぼくに聞いた。
「人にはウラガワがあるんだ。知ってっか?」ぼくはうなずいた。「オモテがおなかで、ウラはせなかでしょ」じいちゃんはニヤッと笑った。「そうじゃない。人からはそうたやすく見えない、ウラの人格のことだ」ぼくは「ジンカク」という言葉を頭のなかでバラバラにしてみたけど、ジンとカクが組み合わさるとやっぱりわかんなくて、「ああ、うん、ジンカクね」なんていった。
「子どものうちはあいまいなんだ。けど、大人になるとな、自分のウラガワをかくして、オモテガワだけを見せるようになる。ちょうど月みたいなもんさ。月は地球からはオモテしか見えない」「
なんで急に月の話になるんだろう?
「月みてえに、おまえにもウラガワがあるんだ。そのうちかならずはっきりしてくる。冷めたトンジルの脂が分離してうくみてえにな。それをみせないのが大人ってもんだ」
 月から急にトンジル。じいちゃんの話は、よくあっちこっちに飛んだ。

●トール、ダイキ、シュン、マチは「テツヨン」とよびあう仲好し4人組です。しかし、ムードメーカーだったダイキの引越しをきっかけに「テツヨン」の関係が崩れていきます。今まで仲良かった友だちと少し距離ができることは、寂しさと戸惑いが伴います。トールは、シュンやマチのウラガワにきづき、そして自分のウラガワにも気づいていきます。友情の変化を等身大の目線でみずみずしく描いた成長の物語です。

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