トップページ > 読書案内 >  6年生の今月の本 > 6年生におすすめの本
 > ソーリ!

6年生の今月の本


ソーリ! タイトル ソーリ!
著者 濱野 京子(作) おとないちあき(画)
出版社 くもん出版
 

 そうりだいじんになりたい

 それは、小学1年生の夏に七夕かざりの短冊に書いた願いだった。そのころのあたしは、とっても元気だった。「照葉ちゃんは、はきはきしていてめんどうみがいいし、正義感も強いから、いっそ政治家になったらどうかしらね」と先生やほかのお母さんたちからいわれた。
 そのときは、政治家というのがどういう職業なのかぜんぜんわかっていなかった。でも、わかっていないなりに、政治家というものに、ひそかなあこがれをいだき、大人になったら、人のためにがんばる仕事がしたいと思っていた。
 そう、七夕かざりをつくったあのときまで。
 あたしが書いた短冊を見て、片山東太が爆笑した。「総理大臣だってよ、ばっかみてぇ」
 すると、まわりの子も笑った。「そんなふうにいうものじゃない」とたしなめた先生も、ちょっと笑っていた。
 もう、四年の前もことだけど、あのときから、あたしは将来の夢を語れなくなった。

★主人公の照葉は、幼い頃に自分の夢を笑われるという悲しい経験をしました。それから、思ったことを正直に伝えても、笑われたりからかわれたりするかもしれないと、まわりの反応を伺ったり、言いたいこと我慢するようになりました。そして、小学5年生の後期、思わぬなりゆきでクラスの学級委員になりました。「ひきうけたからにはしっかりやりたい」と、少しずつ自分の思ったこと、考えたことを口にし、そしてクラスみんなのためにと、行動を起こしていきます。

Page Top