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6年生の今月の本


アーモンド入りチョコレートのワルツ タイトル アーモンド入りチョコレートのワルツ
著者 森 絵都
出版社 角川文庫
 

 この本には3つの話が入っています。「子どもは眠る」「彼女のアリア」「アーモンド入りチョコレートのワルツ」。どれも、主人公は中学生。そしてどの話にも、クラシック音楽が流れています。

 いとこ同士、少年たちだけで過ごす、別荘でのひと夏。ぼくたちの中で一番年上で、別荘の持ち主でもある章(あきら)くんは、毎日決まった時間になるとクラシック音楽のレコードをかけ、ぼくたちにそれを聴かせるけれど、ぼくたちは、ねむくて最後まで起きていられない。ぼくたちは、章くんに逆らったり、ちょっとでも章くんよりできるところを見せてはいけない。だって、そんなことをしたら、来年はもう別荘に呼んでもらえないから……。(「子供は眠る」)

 古い校舎の音楽室で女の子がひいていた曲は、毎日毎日眠れないで夜を過ごしていたぼくがいつも聴いていたピアノ曲だった。その女の子もぼくと同じくずっと前から眠れない毎日を過ごしていたのだと知り、ぼくたちは毎週ここで会うことにした。しばらくして、ぼくはちゃんと眠れるようになったけれど、彼女にそれを言い出せないまま、今日も音楽室に向かった。ある日、彼女と同じクラスの男友達が、彼女はしょっちゅううそをつくクセがあるのだと聞いて……。(「彼女のアリア」)

 私と友人が通っているピアノ教室の先生はちょっと変わった先生で、サティの音楽が好き。ある日、なぞのフランス人のおじさんがやってきて、先生の家にいついてしまった。わたしたちは、レッスン中もそのおじさんにふり回され、しだいにピアノ教室に通う子どもも少なくなってきた……。(「アーモンド入りチョコレートのワルツ」)

【 どのお話も、主人公はそれぞれ何らかの「終わり」をむかえます。別荘生活の終わり、中学卒業、おじさんとの別れ……。けれど、それらは決して悲しいものではありません。「終わり」を通して、主人公たちはみんな、少し大人になっていくんです。】

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