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6年生の今月の本


十二番目の天使(ジュニア版) タイトル 十二番目の天使(ジュニア版)
著者 オグ・マンディーノ
出版社 求龍堂
 

 「外の世界をたちきる……。だれにも会いたくない……。」交通事故で妻と息子を亡くした町の名士ジョン・ハーディングは、家の中にこもったきり生きる希望を完全に失っていた。頭にうかんでくるのは、妻と息子を亡くす前の、栄光に満ちた幸福な日々ばかり。でも、今、わたしには何もない、もうこれまでだ……。自らの命を断つべく拳銃(けんじゅう)を手にするジョン……。

 そんな時、天使が、ひとりの天使が、彼(かれ)の命を救った。ティモシー・ノーブルは、ジョンが監督を引き受けたリトル・リーグの選抜テストに現れた、11歳の小がらな少年である。ジョンはティモシーを見るなり、息をのんだ。あれは……リックじゃないか。そう、ティモシーはジョンの亡き息子リックに、体格までうりふたつだったのだ。

  しかし、選抜テストを受けるティモシーの様子は、目をおおいたくなるような悲さんなものだった。フライを取ろうとあっちへよろよろ、こっちへよろよろ、あげくのはてには足をもつらせ、芝生に頭から転倒!案の定、多くの監督が参加したドラフト会議でもチームのメンバーとしてティモシーを指名するものはひとりもいない。とうとうティモシーは、最後までどの監督にも選ばれなかった。

 ジョンは、すでに選んだ11人のメンバーに満足していた。バランスよく彼らをつかえば「エンジェルズ」はよいチームになるだろう。しかし、最後の最後で、ティモシーは「エンジェルズ」のメンバーに加わった。ティモシー・ノーブルは、ジョン率いる「エンジェルズ」の最後のメンバー、文字通り、12番目の「天使」になったのだ。

「絶対、絶対、絶対、絶対、あきらめるな!」
「毎日、毎日、あらゆる面で、ぼくはどんどんよくなってる!」

  呪文のようにこんなことばを自分に語り聞かせ、不屈(ふくつ)の精神とひたむきなまなざしで、野球を続けるティモシー。そんなティモシーの姿が、ジョンのかたくなな心を少しずつほぐしていく……。

【 涙なくしては読めない物語。ジュニア版は字も大きく、読みやすくなっています。カバー裏(うら)には基礎(きそ)的な野球用語が印刷されているので、「野球の話はちょっと……」という人にもおススメです。】

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