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> 泣けない魚たち
タイトル | 泣けない魚たち | |
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著者 | 阿部 夏丸 | |
出版社 | ブロンズ新社 | |
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6年生の春、さとるは転校してきた無口な男、岩田こうすけと友達になった。 こうすけはさとるに魚のことを何でも教えてくれた。 川と魚のことに関して彼の右に出るものは、この町にいなかった。 といっても、こうすけは学校のなかでは誰とも口をきかない。友達もふやそうとしない。 ある時不思議に思ったさとるがたずねると、こうすけは言った。 「『おれ、じいちゃんにいわれたことがあるんだ。十人の友だちより、一人の友だち。 一人の友だちより、自分自身だって』 (そんなの、まちがっているよ) そんな僕が、ちがう、などといえるわけがなかった。 ……こうすけはそういう男だった。 ただ「河童森」の秘密のかくれがと、釣りだけが二人の友情の証だった。そんなこうすけ自身の秘密も、やがてあきらかになる。 「魚は、泣けるか泣けないか」 【 ザリガニを取って食べたり、ウナギを売ってお小遣いを稼いだり、時には金魚屋を釣堀(つりぼり)がわりにしてみたり……物語の中には 少年たちならではの遊びがたくさん登場します。男の子はもちろん、女の子も、釣りのことなんて魚のことなんて何にもわからない、 という人もこの話を読み終わるころには、魚のことが大好きになっているはず。ちょっとほろりとさせられるお話です。 ふだんは他人を寄せつけない一匹狼的存在のこうすけが持っている、 心の強さ、やさしさ、生きることに対する真摯(しんし)な姿勢には、学ぶものが大きいと思います。ぜひ、手にとってみてください。】 |