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> リー・ボッツの日記 走れ、ストライダー
タイトル | リー・ボッツの日記 走れ、ストライダー | |
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著者 | B.クリアリー/作 谷口由美子/訳 | |
出版社 | あかね書房 | |
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みなさんは日記をつけたことがありますか?毎日欠かさないという人、いつも3日坊主で終わりという人、いろいろだと思いますが、この物語の主人公リー・ボッツ少年は、どうやら日記をつける楽しさにめざめたようです。―― 14才になるリーは、母親と二人ぐらしをしている。トラックの運転手をしている父親はたまに会いにくる。二人はトラックに乗ってどこへともなく出かけるが、リーは父親ときちんと話をしたことがない。リーは、父が父親らしいところをあんまり見たことがないので、こんなものかな、と思っている。それにくらべて母はとても世話好きで、リーのことを心から気にかけてくれている。そのことはリーもよくわかっていたし、二人の生活を少しでも良くするため、働きながら看護婦の勉強をする母を尊敬(そんけい)していた。 だからリーは母を困らせるようなことはしたくなかった。でも、ストライダーのことだけは別だった。ストライダーは、親友のバリーと浜辺を歩いていたとき見つけた犬だ。この犬はたったひとりで、戻ってこない飼い主をいつまでも待ち続けていた。だから最初は何を言っても動こうとしなかった。 でも、風を切って、何度も何度も一緒に砂浜を走るうちに、ストライダーはとうとう二人についてきたのだ。そんないきさつで、二人はこの犬を共同で飼うことを計画する。 ちなみにストライダーという名前は、「ベイサイド・ストライダー」という陸上クラブの名前から取った。走る犬にぴったりの名前だと思ったからだ。ただ問題なのは、リーの家の大家さんがそれを許してくれるかどうかということなのだけれど。 ――こうしてリーとストライダーはすっかり仲良くなり、リーにとって欠かすことのできない大切な存在になっていきます。そして同じ頃、リーは一緒の学校に通う女の子ジニーバとも出会います。体育の時間、一人けんめいにハードルに取り組む彼女の姿にリーは心ひかれます。風になびく彼女のまっ赤な髪の毛を、リーは 「マダラチョウの羽の色」のようにきれいだと思うのでした。そんなある日、リーは初めて父親と話らしい話をします。自分のことに興味なんかないと思っていた父親が、実は息子に会えなくてさびしがっていたということを知ったとき、リーはこの似たものどうしの不器用な親子を、ちょっとオトナの気持ちで見つめることができるようになるのでした。 【 1984年にニューベリー賞を受賞した前作 『ヘンショーさんへの手紙』 の続編として書かれたこの作品。派手な出来事や事件はひとつも起こりませんが、家族、親友、学校の先生、リー少年をかこむさまざまな人との交流が 少年自身の目線で細やかに描かれています。多感な少年の不器用さに思わず共感してしまう言葉がたくさん出てきます。両親の離婚(りこん)という現実にとまどいながらも、てらうことなくマイペースに成長していく少年の姿がさわやかな作品です。女の子にも男の子にもおすすめです、ぜひ読んでみてください。 *書店にない場合は図書館で探してみてください。】 |