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> にいちゃん、ぼくはんせいしきれません。
タイトル | にいちゃん、ぼくはんせいしきれません。 | |
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著者 | 柚木 真理 | |
出版社 | ポプラ社 | |
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ぼくの家は東京の上野、いわゆる下町ってところだ。ぼくには四歳上のにいちゃんがいる。にいちゃんは親分肌で、近所の子供たちには人気があったけど、ぼくにとってよいにいちゃんかどうかはなはだ疑問である。 今日とんでもない事件があった。朝学校へ行くと、にいちゃんの先生は風邪でお休みだった。そこで代わりに今年大学を出られたばかりの石井先生が教室にみえて、「母」という題で作文を書くようにおっしゃった。 作文のにがてなにいちゃんは、何を思ったのか、「亡き母をしのんで」という題で書きはじめた。書いているうちにだんだんその気になり、悲しいことがいくらでもつらつらと書けてしまったそうだ。 その作文を石井先生が感動され、放課後わざわざぼくの家へ訪ねていらしたのだ。そんなこととは知らない母さんは、にこやかに応対していたが、どうも話が変である。そのうちに話が飲みこめてきた。でも、先生があんまり感動なさっているので、いまさら母ですと言えず、 |