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> わたしにはパパだっているもんね
タイトル | わたしにはパパだっているもんね | |
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著者 | クリスティーネ・ネストリンガー/作 松沢 あさか/訳 |
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出版社 | さ・え・ら書房 | |
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わたしが二歳と二ヶ月のとき、パパとママは離婚 (りこん) した。だけど、家族わかれわかれの生活は少しも気にならなかった。ママがミュンヘンに行きたい、なんて言い出すまでは! ジャーナリストのママは、ここウィーンで新聞記者をしている。だけど、ママはずっと前から会社をやめたがっていて、そんな時ちょうど、ミュンヘンで雑誌の仕事を引き受けないか、と話があったらしい。 わたしは人になにかを強制されることが大きらい。だから、ほかの人にも、自分の意見をおしつけることはしたくない。でも、ミュンヘンへなんか、ぜったいに行きたくない! 子どもとして、ママの気持ちを尊重しなければいけないと思うけど……ほんと、どうすればいいの? ところが、まよっているわたしをほったらかして、ママは勝手にミュンヘンに行くことを決めてしまった。しかも、四週間だけホテル住まいで働いてみるから、そのあいだ、あんたをアネミおばさんの家であずかってもらうことにしたの、だって! アネミおばさんなんて、金切り声でおこるために生まれてきたような人。大きらい。わたしはパパのところへ逃げこむことにした。 パパはわたしの話を聞くと、むすめの優しさにつけこんで、なんて母親だ! けしからん! とおこった。わたしはパパに説明した。問題はそんなことじゃないのよ。わたしがアネミおばさんの家でくらさなきゃならないってことなの! 「わたし、パパのところにおいてもらえない?」 パパは、あんぐりと口をあけた。そしてとたんに、アネミおばさんだって、それほどきらったものじゃない……と言いはじめたのだ。それまでさんざん、あんなに好きになれない連中はほかにはいないって言ってたくせに! パパがわたしにこんなたいどをとるなんて、思ってもいなかったのだ。わたしはさっと立ちあがり、 【 パパやママであると同時に、一人の男性であり女性でもある親。そんな親が子どもを観察するよりもずっと、子どもの方が親をよく見ている……。どんな時もユーモアをわすれずに、少しずつ大きくなっていくフェリのすがたが、とても楽しくよめる本です。】 |