町はずれの大きな屋敷（やしき）にやってきた４人きょうだいは、ある雨の日、洋服だんすの中に入ってみました。洋服しかないはずのたんすの中、おくに１歩ずつ足をふみいれてみると、なぜか、さくさくと雪をふみしめる音がしはじめて……。気づけば４人は、夜の森にいたのです。そこは、魔法（まほう）の国・ナルニアでした。

　もう長いこと、ナルニアは、魔女（まじょ）のために雪と氷にとざされていました。ナルニアに住むものたちが、心の底から待ち望んでいたものは、ふたつ。ひとつは、ナルニアを作った、ナルニアのほんとうの主（あるじ）・アスランがもどってくること。そしてもうひとつは、伝説の城の王座にすわるべき、４人の王が、ナルニアに現れること……。