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タイトル | 雨の動物園~私の博物誌~ | |
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著者 | 舟崎 克彦 | |
出版社 | 偕成社 | |
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この本の作者である舟崎克彦(ふなざき・よしひこ)さんは、〈ぽっぺん先生〉シリーズをはじめ、『あのこがみえる』、『暗くなり待ち』など、たくさんの物語や詩を書いている作家さんです。(本を読んだことがある人も多いかもしれませんね。) 舟崎さんは東京生まれの東京育ちですが、その子ども時代はというと、意外にも緑ゆたかな自然にかこまれた、のびのびとしたものでした。そこにはまだ子どもたちが遊ぶ原っぱがあり山があり、そこに暮らす小鳥や小動物たちと私たち人間との距離は今よりもずっと近かったようです。 舟崎さんは、小学生の頃毎日のように接していた身近な動物たちのことを、本の中で実に楽しそうに紹介しています。なかでもよく登場するのが小鳥たちです。ヒバリにカッコウ、モズにヤマガラ……名前を聞いたことはあっても本当はどんな鳥なのかよくわからない……本当は身近な存在のはずなのに、よく知らない……そんな彼らのことも、舟崎さんはまるでずっと昔からの知り合いか友だちのことを話すように紹介してくれるのです。 紹介といっても、図鑑や辞典にのっているような「動物に関するたくさんの知識」が長々と書かれているわけではありません。舟崎さんは、自分の目と耳と心で感じた彼らの姿を、ときに友だちのような親しさで、時には彼らの気持ちになりきって生き生きと描き出します。誰も知らないヒキガエルのかなしみや、不可解(ふかかい)なナゾをたたえた哲学者のようなトカゲのこと。うっかり者のモグラのこと、子ガモたちの話を、ぜひ聞いてあげてください。 |