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6年生の今月の本


わたしが幽霊だった時 タイトル わたしが幽霊だった時
著者 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
出版社 東京創元社
 

 気がつくと、サリーは幽霊になっていました。けれども、どうしてそんなことになってしまったのかは、サリー本人にもさっぱりわかりません。何がどうというわけではないけれど、自分の身体がみょうに軽くてあやふやな感じがするのです。頭もはっきりしないし、今日何があったのか、お昼に何を食べたのかもまるで思い出せません。

  不安になったサリーは心を落ち着かせようとして、自分に言い聞かせました。
(いいわ!簡単な質問にしよう。あたし今、何着てる?)
この質問には楽にこたえられるはずでした。なぜなら、ちょっと下を向けばいいだけだったのですから。ところが……。その瞬間、サリーの頭は爆発寸前の巨大な風船のようにふくれあがりました。
(あたしがなくなっちゃった!)
そうです。サリーはあるべきはずのところに自分の体がないことに、このとき初めて気がついたのです。

 なくなっていたのは体だけではありません、頭も顔も、なにもかも、サリーだと言えるものは何ひとつなくなっているのです。あまりのことにパニックになりかけたサリーがたどり着いたのは、ある学校でした。そこが自分の家でもあることを、サリーはだんだんと思い出します。それから、おせじにも仲がいいとはいえない3人の姉や妹たちのことも。

 自分がいなくなったことを、家族のみんなはどう思っているのだろう。サリーはいてもたってもいられなくなって、姉妹たちの後をついていきます。ところが、姉妹たちはサリーのことについてとんでもない話をしているではありませんか!

【 とまどうサリーの前に、やがて 「モニガン」 というなぞの存在が現れます。 サリーを追いつめようとするモニガンから逃れるため、サリーは時空を超えて、だいっ嫌いだったはずの3人姉妹に助けをもとめることに。物語のなぞときを、サリーと一緒にとまどいながら、楽しんでみてください。

  ダイアナ・ウィン・ジョーンズさんは、映画化もされた作品、『ハウルの動く城』 の作者です。イギリスのファンタジー作家として、魔法をテーマにしたお話をたくさん書いています。】

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