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6年生の今月の本


天のシーソー タイトル 天のシーソー
著者 安藤 きみえ
出版社 佼成出版社
 

 ミオは、学校のドッヂボールで最後のひとりになってしまったことをくやんでいました。なぜなら、ミオの胸の真ん中で、化膿(かのう)してふくれあがった虫さされが、今にも噴火しそうな火山のようにまっ赤になっていたからです。

「キズにあたったら」と考えただけで身ぶるいがするミオは、ボールをもつ佐野(さの)にむかって願わずにいられませんでした。
「逃げないから、逃げないかわりに脚にぶつけて。おねがいだから。」
ところが、佐野の手からはなれたボールはひょうしぬけするほど軽く、ポンとミオの足にあたっただけで地面にころがりました。
「サノったら、なぜあんなヤワなボールをなげてよこしたんだろう。」

  二ヶ月前にやって来た転校生の佐野は、明るい性格でクラスにもすぐになじみました。けれど、クラスの誰もまだ彼の家を知りません。その日の放課後、友だちのエリと一緒に佐野のあとをつけることにしたミオは、花が咲きみだれる白い洋館に消えていく佐野の姿を目にします。

  てっきりそこが佐野の家だと思いこんでいたミオですが、そうではありませんでした。

  佐野の本当の家は、ミオたちが後をつけていたとき、見つかりそうになって隠れたリサイクル屋さんだったのです。

 佐野は、ミオたちの存在に気づいていたのでした。好奇心から佐野の気持ちを傷つけてしまったと知ったミオは落ちこみます……。

【 小学生のミオの日常が6つの短いストーリーでつづられています。身近な人との関わりを通じて、自分にとって大切な存在について気づかされていくミオの姿に共感できます。】

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