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> 小さな博物誌
タイトル | 小さな博物誌 | |
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著者 | 河合 雅雄 | |
出版社 | 筑摩書房 | |
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田んぼの一角に小さな池がある。池の両側はほとんど土手らしきものがなく、水田との境界がうすれていた……それが問題だった。農家が作った池なのか、それとも田の隅にある自然にできた深い水たまりなのか、わからなかったからだ。 ぼくと弟のミトは、「この池は田んぼの延長としての深みで、ここにいる鯉(こい)はテンネンである」という見解に達した。何しろこの池には、一尺(30センチ)もある鯉がたくさん泳いでいるのだ。りっぱな鯉が網(あみ)に入った光景を目に浮かべるだけで、体がしびれそうになる。「天然やと思うけど」「うん、ぼくもそう思う」 ぼくはミトに目くばせし、素早(すばや)く網を池の中につっこんだ。 【 有名な動物学者・河合雅雄さんが、子どものころに野山をかけまわりながら見てきた、生き物たちの思い出をつづった本。今回しょうかいした「“テンネン”の秘密」のほかにも、「バビブベボのバビボウ」「ムカデに助けられたアホーな父親の話」など、たくさんのお話が入っています。遊びの中で、四季のめぐりの美しさや、いのちのふしぎを心にきざんでいくすがたが、とてもかがやいています。】 |