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6年生の今月の本


京のかざぐるま タイトル 京のかざぐるま
著者 吉橋 通夫
出版社 日本標準
 

 とびだしてきたものの、どこへ行くあてもなかった。夕ぐれの河原町通りをとぼとぼ歩きながら、にぎりしめた指をひらくと、ふたつにへしおられた筆が手の上でころがった。冬吉が、はじめてつくった筆だ。(『筆』)。

  江戸時代、子どもは十歳ぐらいになると職人に弟子入りして働くことがあたりまえの時代でした。 この作品は短編集なのですが、各作品に出てくる子どもたちも、また、さまざまな職業についています。 みな、将来何をやって、どうやって生きていくのかを、皆さんぐらいの年齢から考えています。時には命をかけ、将来の夢をかなえようとする人もいます。

  私たちは生きていくこと、将来やりたいことに命をかけるといった場面にはそうそう出くわすことはありません。しかし、逆に、将来やりたいことが決まっていない人も多いのではないでしょうか。

 今、決めなければならないというわけではありません。選択の幅が広い現代だからこそ、将来のことをより深く考えてみてはいかがでしょうか。

【  『さんちき』という作品が中学校の教科書でも扱われています。難しいと感じるかもしれませんが、一つ一つが味わい深い短編ですので、何度も読んでみましょう。】

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