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ぼくによろしく|6年生|小学生のための読書案内|家庭学習研究社

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6年生の今月の本


ぼくによろしく タイトル ぼくによろしく
著者 ガリラ・ロンデフェル・アミット
出版社 さ・え・ら書房
 

 ぼく、シオン・コーヘンがシロニー先生の里子になって八か月がたっていた。シロニー先生は日記をつけたらとぼくに言う。

  八か月間、シロニー先生がつきっきりで勉強を見てくれたおかげで、ぼくはきょう信じられないような成績表をもらってきたのだ。

  「シオン・コーヘンには、粗暴なふるまいが多く見られます」と書かれたよこに、シオンは書きとりがとても上達し、スラスラ書けるうえに、スペルのまちがいも少ないとほめてあったのだ。

「わかった、日記を書くよ」

  シロニー先生は、ぼくをだきしめると、ほっぺたがびちょびちょになるくらい、キスをした。そして、銀貨を一枚だして、ぼくにくれた。それから、ドアのむこうで、じっとのぞき見しているシロニー先生の息子のニルにではなく、このぼくに言ったのだ。

「アイスクリームを買ってらっしゃい」

 ぼくは日記になんて書いたらいいか分からなかったので、ニルの日記をのぞいてみた。そしたらけんかになってしまった。

  シロニー先生の仕事は、心理カウンセラーとかで、問題児のいる学校をいくつもまわって、教師たちの相談にのることだ。だから先生は怒ったり、どなったりせずに、ぼくに、日記がプライベートなものであること、また、もう一人の自分あてに書くもので、点数などつけられないことを説明してくれた。そして、日記をつけることは教育上役に立つと言ったんだ。

 笑わせるぜ! 教育上役に立つというのなら、先生こそ日記をつければいい。子どもの教育は、大人が考えることじゃないのか?

  ぼくは、ペンをもって、ぼくのほんとうのパパが銀行に強盗に入って刑務所に入れられた話を日記に書き始めた。

【 らんぼうもののシオンをきちんと育てようと、シロニー先生は分厚い本を開いてはシオンに何といっていいか考え、感情的にならないように気をつけて話します。シオンはそれをまどろっこしいと思いますが、一方で殴り合って手っ取り早く話をつけるというのもいけないことだと身をもって理解します。
子どもは大人が思っているほど子どもではないと思うあなたに。】

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