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タイトル | ゆうれいばあちゃんのねがい | |
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著者 | 井上 よう子(作) 宮本 忠夫(絵) | |
出版社 | 文研出版 | |
ゆうきとともだちのいっぺいががっこうからかえってくると、家の中はシーンとしていました。いつも「おかえり」といってくれたばあちゃんはもういないのです。 ばあちゃんはゆうきといっぺいが居間であそんでいると、よく口だししました。とくに、ゆうきのきにいりのテレビゲーム『おおぞらにゴー!』をやっているときは「いっぺいくん、あんたばっかりやってないで、ゆうきにもかわってやって」といっていました。じょうずないっぺいにくらべて、ゆうきはじぶんがやると、すぐにゲームオーバーになるから…とあきらめていました。そんなゆうきをみて、ばあちゃんはざんねんそうに「ゆうきはいつもこうだ」とつぶやいていたのでした。 きょうもあそんでいると、いっぺいがふいにばあちゃんのへやをいじくりまわしはじめました。ぶつだんやほりごたつ、ながひばちなど、へやにはめずらしいものがいっぱいなのです。いっぺいはほりごたつにもぐいこんだり、かってにおしいれをあけてみたり、ちょろちょろして、ちっともじっとしていません。「もういいから、いこうよ」ゆうきははらはらしっぱなしです。しまいには、はずみでとこのまのかびんがゴロン、ゴ、ト、トとたおれてしまいました。たてにひとすじひびがはいっています。それは、まるっこいかたちとうつくしいるり色がおきにいりで、ばあちゃんがだれにもさわらせないでたいせつにしていたかびんでした。
ゆうきの夢には毎晩のようにばあちゃんが出てきて何か言いたそうにしています。ばあちゃんは大切な花瓶を割ってしまったことを恨んで、ゆうきにたたろうとしているのでしょうか……?
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