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3年生向け季節の本

マンホールからこんにちは タイトル マンホールからこんにちは
著者 いとう ひろし(作)
出版社 徳間書店
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 きのうのゆうがた、ぼくは、おつかいにいった。かったのは、きゃべつときゅうりとばななとぴーまん。おつりでアイスクリームもかった。これはおつかいのおだちん。ぼくはアイスクリームをなめながら、いえにむかった。にちょうめのかどをまがる。すると、みちのまんなかにでんしんばしらがたっていた。へんだなとおもってちかづくと、それはマンホールからくびだけだしたきりんだった。
「こんにちは」
ときりん。
「こんにちは」
とぼく。きりんはまいごだった。

 きりんのかぞくはアフリカのそうげんにすんでいた。あるはれたひのごご、かわにみずあびにでかけた。くちいっぱいにみずをふくんでみずをかけあう。きりんはみんなからみずをかけてもらった。
 ざばざば しゅるる ざばざば しゅるる……。
 みんなはいつまでもみずをかけつづける。だんだんくるしくなって、みずのかべをぬけると、そこはげすいのなか。きりんはげすいのなかをあちこちながされて、やっとみつけたでぐちがこのマンホールだったというのだ。

おつかいのかえりみち、「ぼく」はマンホールの中から出てきたさまざまなものに出会います。それは、まいごのアフリカのきりん、何万年も昔のマンモスなど……。普段のぞいてみることのない「マンホール」ですが、このように、もしかしたら現実とは違ったどこかの世界とつながっているのではないか……と想像力をはたらかせてみると不思議とわくわくした気持ちになれると思います。
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