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3年生向け季節の本

こねこのモモちゃん美容室 タイトル こねこのモモちゃん美容室
著者 なりゆき わかこ(作)
トビイ・ルツ(絵)
出版社 ポプラ社
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 お母さんたらほんとにずるい。自分は駅前のおしゃれな「ズーム」に通っているくせに、わたしだけ「みつこ美容室」に行かせるんだもの。――みほはおしゃれな美容室に行きたいのですが、お母さんがなかなかゆるしてくれません。「みつこ美容室」はみつこさんという小さなおばあさんがひとりでやっている小さな美容室です。ずいぶん前からあるので、お店のかんばんは色あせているし、中もぼろぼろ。だからみほは「みつこ美容室」に行くことにいやけがさしていたのです。

 そんなある夜、「みつこ美容室」のかいねこのモモがみほをたずねてきました。モモは白くてふさふさの年よりのねこ。そのモモが、
「ごめんください。モモです。ごひいきいただいてる、みつこ美容室の……」
とたずねてきたのです。モモは毎月来るはずのみほが髪を切りに来なかったことを心配し、また「みつこ美容室」に来てほしいとお願いに来たのでした。

「みつこ美容室」にまた来てほしいというお願いに、古くてぼろぼろな美容室は嫌だとみほはことわります。そこで、モモは少しでも悪いところを直し、みほに気に入ってもらえるように小さな体をはってできる限りの努力をします。それは肉きゅうでかんばんのガラスを拭いたり、ごろごろところがってゆかのよごれをとったり……。モモの懸命さに心うたれるとともに、徐々に芽生えていくみほとモモの友情に心あたたまるお話です。
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