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タイトル | ぼくとあいつのラストラン | |
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著者 | 佐々木ひとみ(作) スカイエマ(絵) |
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出版社 | ポプラ社 | |
「ジイちゃんがあぶないの。いますぐジイちゃんちにきなさい。」 午前0時10分、たけしは母さんの電話で目が覚めた。ジイちゃんはぼくが生まれる前に脳こうそくでたおれて、さらに小学校に入るころには、別の病気にもかかって、あまり仕事ができなくなっていた。 ジイちゃんの家のげんかんに足をふみ入れたしゅんかんだった、いつもはしないにおいがした。かすかな、けむりのにおいだ。(これって……お線香??ってことは……)ジイちゃんはふとんの中にいた。かたく目をとじて、青白い顔でよこたわっていた。 おそうしきの日、家は朝からてんやわんやになっていた。気がつくと家の中にたけしの居場所はなくなっていた。(つまんないなぁ。おそうしきなんて早く終わればいいのに。)ぶつぶつ言いながら、だれもいない家の東がわにまわってきた。(つまんないの。こんなときジイちゃんがいたら、むかし話をしてくれたのになぁ。)ジイちゃんはいっつもいろんな話をしてくれた。ジイちゃんとはずっといっしょだと思っていた。でもずーっとなんてありえない。人の命にはかぎりがあるんだ。ジイちゃんがしんで、ようやく気がついた。(ジイちゃんにもっとやさしくすればよかった。もっとあいにいけばよかった。)目のまわりがあつくなってきた。そのときだ。 「よう!」目の前にたけしとおなじくらいの年ごろの男の子が立っていた。
いつかはやってくる死は、遠い先の話と思っている人が多いのではないでしょうか。身近な人の死と向き合う中で、生きていることの素晴らしさを教えてくれるお話です。突然現れた男の子の正体はいったい誰なのでしょうか。
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