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3年生向け季節の本

みなとのチビチャーナ タイトル みなとのチビチャーナ
著者 山下 明生(作) 村上 康成(絵)
出版社 講談社
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 大きなみなとのすみっこに、小さな船がつながれています。おしりに、チビチャーナと書いてある、手づくりのヨットです。小さなヨット、チビチャーナは、リョウくんとお父さんが作りました。雪の日よう日も、五月のこどもの日も、いたをまげ、マストをみがき、セールをぬい……、コツコツと休まずに作り上げました。チビチャーナという名まえは、キューバの子どもたちが作っていたおもちゃの車の名からつけられました。お父さんがキューバで見たその車は、おもちゃでもほんもののトラックよりもはやくさかをかけおりていたといいます。だから、「この船は海のチビチャーナだ」とリョウくんがきめたのです。
 つぎの日よう日、チビチャーナはお父さんの車のやねにのせられて、大きなみなとにやってきました。「水になれるまで、ここで休んでおいで。こんどの日よう日には、あそびにくるからね。」リョウくんはそういって、チビチャーナをみなとのすみっこのきしにロープでつなぎとめました。

●大きな港にはチビチャーナよりもうんと大きな漁船やタグボート、客船などいろいろな船がにぎやかに行き交います。港のすみっこでチビチャーナにはたくさんの出会いが訪れますが、肝心のリョウくんは、次の日もその次の日もやってきませんでした。それでも、チビチャーナは「ぼくのリョウくんは、こんどの日よう日になったらきてくれる」そう信じて待つのでした。

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