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2015年度の作品

No.4 『 最後まで諦めない 』修道中・城北中・なぎさ中/Sさん

「今回は自信がある。」と言いながら、笑顔で次男が、最後の模擬試験から帰ってきた事を思い出します。 その結果はと言うと、第一志望の修道中学がC判定でした。それまでの模擬試験も、毎回C、D判定だったので、私としてみれば、それ程驚く結果ではありませんでした。
 長男が既に修道中学へ通っているので、学校行事、校長先生の講演、クラス懇談会等へ参加する中で、修道中学のスタッフの充実、学校の方針等を知り、私は「次男も修道へ行かせたい。」という思いがありました。 次男が小学4年の終わりに、中学受験の話をすると「お兄ちゃんに負けたくない。俺も修道へ行ってやる。」と意気込み、家庭学習研究社でお世話になる事に決めました。
 しかし、6年部になっても、思った様に成績は上がらず、全く結果が伴いません。その原因に、普段の勉強に取り組む姿勢があると思いました。 何度も注意してきたのですが、集中力に欠け、周りの人に影響され易く、一応机に着いて勉強をする格好をしていますが、身が入らない状態です。 小学4年の終わりから中学受験を決め、好きだった野球を辞めて、近所の同級生が遊んでいるのを横目に、勉強をしている姿を見ていた私は、結果が伴ってこない現状を目の当たりにして、「受験をさせて良かったのだろうか。もっと好きな事をやらせた方が良かったのではないだろうか。」と後悔しました。
 思えば6年生の夏頃、真面目に取り組まない次男に苛立ちと、情けなさが込み上げてきて、家庭学習研究社へ車で迎えに行った帰り道に、真っ暗で人気の無い山へ連れて行き、性根を入れた事もありました。 それなのに、家庭学習研究社の先輩からの、受験アドバイスで「理科と社会は、完全チェックを完璧にしていれば、大丈夫です。」と教えて貰った事を、受験直前の十二月中旬になっても、半分程度しか覚えていなかった事には驚きました。 受験が始まる二週間前から、完全チェックを徹底的にやらせて受験に臨ませました。
 その頃になると、さすがの次男も気付いたらしく、今まで見た事が無いくらい、必死に勉強をしていました。 入学試験は、広島なぎさ、広島城北、修道の順番で、いずれの学校の試験も、終わってからの感想は、あの最後の模擬試験と同じ「今回は自信がある。手応えがあった。」と自信に満ちた様子でした。 その言葉を信じたい反面、これまでの事を考えると、複雑な気持ちで結果を待ちました。
 入試直前の完全チェックが功を奏したらしく、広島なぎさ、広島城北と続けて合格し、その知らせに、私達家族全員は喜びました。 褒めると調子に乗る性格の次男は、案の定、得意になって、気を抜いている様子が窺え、私は次男に少々気合を入れてから、「この調子で第一希望の修道も頑張れ。」と励ましました。 合格判定がCかDの学校だから、後は次男がどれだけ実力以上のものを発揮するかに賭けるだけです。
 発表の日、「いいか、見落とすなよ。」と、家族4人がパソコンの前で、画面に並んだ数字を確認していきました。 そして次男が「やった、あったよ。」と叫び、私も次男の番号を確認すると、驚きと嬉しさと喜びと達成感と、様々な感情が湧き出て、涙が出てきました。
 目標を決めてから、常に全力疾走していなかった受験勉強ですが、やりたい事を我慢して、取り組んできた事は間違いありません。 家庭学習研究社の先生は、あの手この手で次男の勉強に対する興味を引き出し、常に励ましてくださっていました。 そのためか、次男の口からは一度も「家庭学習研究社へ行きたくない、辞めたい。」という言葉が出てきませんでした。
 受験が終わり、次男模擬試験の合格判定結果は、毎回散々なものでしたが、何事にも決して諦めてはいけないという事を、改めてこの受験で次男から教わった様な気がします。先生方には大変お世話になり、ありがとうございました。

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