思い起こせば1年生になってすぐ、憧れの4歳上の兄のあとをおって、小学校のソフトボールのチームへ入団した。そして、4年生の終わりごろ兄と同じように受験をすると決めて家庭学習研究社へ入塾した。
4年前を思い起こし、これからまたあの時間との闘いの日々が始まるのかと私は心でつぶやきながら、母親としてできることは全カサポートすると再び決意したのである。
私にとっては母親としては2度目の中学受験ではあったが、兄弟はもちろん性格も違うし、置かれている立場も違う。本人が口にすることは当分なかったが、兄に憧れている反面、兄のことをプレッシャーに感じているのではないかと内心思っていた。
土日祝日は早朝より丸一日ソフトボールだったので、まず、最初に予習や復習のスケジュールを一緒にたてた。スケジュール通りにしないと気が済まない真面目なところがあったので、ラクラククリアでき、順調に始まったように思えた。
しかし6年部になり、小学校の児童会執行部の仕事もあり、ソフトボールもあり、学習内容も増えて時間がないと焦るあまり、成績が伸び悩んだ時期があった。 そんな時に祖母が合格祈願にとお土産に絵馬を買ってきた。絵馬には、「広島学院 絶対合格」と迷わず書いた。それを見て、兄の姿をみて入学してからも勉強が大変なことも分かっていても同じところで頑張りたいのだなと私は初めて知り、ゆるぎない覚悟を決めた。
2学期の終わりごろに、小学校の授業で「僕の座右の銘は『努力は嘘をつかない』です。」と書いたのを学級通信でとりあげてもらう機会があった。「ソフトボールでも素振りを何百回としたあとの試合ではヒットを打つことが出来た。塾では勉強をすればするほど成績が上がった。」と書いてあった。その通りだと思った。本当によく頑張ったと思う。
ソフトボールでどんなに疲れていても、予習を欠かすことは1度もなかった。12月末にソフトボールを卒団してから受験の1週間前まではとにかく社会と理科の完全チェック(6周しました)と漢字、模試などの間違えたところを中心に勉強に費やした。
1週間前にはもうやるべきことはやったと塾のない日は友達と遊び、早く寝ていた。親からすると「最後まで!」と思っていたが、やるのは本人。本人の言葉を信じて最後は見守るだけ。こうして附属から受験が始まり合格をいただき私がホッとしていると、「本命は学院」ときっぱり言われ、堂々と広島学院の合格を手にした。
努力は嘘をつかなかったね。証明できたね。