幼少期から個性的でユニークな発想、行動、発言が目立つ子でした。現在もそうですが、冬でも広島カープの赤いTシャツに半ズボン。一月、受験会場で赤いTシャツ一枚でウロウロしている彼を見た受験生の保護者の皆さまにおかれましては、風邪でもうつされるんじゃないかとご心配されたことでしょう。この場をお借りしてお詫びさせてください。申し訳ございませんでした(笑)。
そんな彼ですので、公立中学では個性や持ち前の明るさが評価されず、ひょっとしたら、いじめの対象になってしまうのでは、と考えたのが中学受験を志した最初の理由でした。しかしながら、私も妻も広島の出身ではないため、広島の私学について、また、進学塾についての知見が全く無い上、相談できる知り合いもおらず、インターネットで調べる日々が続きました。とりあえず見つけた進学塾に入って「あわなかったらやめたらいいか……」と、軽い気持ちで叩いた門が家庭学習研究社の呉校でした。
二年生、玉井式からスタート。三年生からは玉井式とジュニアスクールの両方に通わせていただきました。玉井式ではストーリーの面白さから長文を読むことに対する抵抗が無くなりました。そしてこの時期に学ぶことの楽しさ、出来るという喜び、自信、机に向かう習慣が身についたことが一番の収穫でした。
四年生からは受験を意識した体制にシフトしました。オープンスクール、文化祭など積極的に参加し、偏差値だけに頼らず、教育方針、学生たちの雰囲気が彼に一番あう学校を検討した結果、第一志望が広島学院に決定しました。「将来どういう大人になるのか。」「なぜ広島学院にチャレンジするのか。」を何度も何度も話し合いました。
当初は順調でした。このまま順調にいけば第一志望は軽く合格。県外の難関校も視野にと淡い夢を描いていました。ところが現実は甘くありません。五年生になると受講生も増え、成績は下降気味。六年生になると成績優秀者に名前は掲載されるものの第一志望は難しい状況に陥りました。理由がわかりません。ずっと計画的に勉強してきたはずなのに、なぜ成績が低下するのか。感情的になって怒ってしまったことも何度かありました。やめてしまえと言ったこともありました。しかし、彼は「塾だけは絶対やめたくない。」「第一志望は絶対に変えない。」と言い張りました。どうやら彼の個性を受け入れてくれている呉校の先生方、同じ志をもって頑張っている仲間たちが大好きなようでした。
そして、広島学院にチャレンジする理由を一番理解していたのは彼自身だったのです。冷静になって考えてみると、成績が安定しないのは彼の精神的な幼さが原因で、能力がないわけではない。努力は間違えていないはず。家庭学習研究社のテキスト、アタック、マナビーテストを信じて繰り返し行うことにしました。特に算数は難問よりも基礎的な問題を中心に本番寸前まで繰り返しました。
広島学院の受験当日、「できた! 絶対受かったわ!」と受験会場から笑顔で、跳ねるように飛び出してきた半袖の彼を見て「あ~、結果はどうであれ、これで悔いはないな。」と心から思えたことは何より幸せでした。
そしてその次の日、広島学院の合格を確認した瞬間、家族で涙したことは一生忘れないでしょう。子供には信じられないような力を発揮する瞬間があります。それは意志の力だと思い知らされました。彼が中学受験をする意義を理解し、諦めず頑張った結果だと思いました。
最後に、受験会場で、他の塾のような派手なパフォーマンスはありませんが、しっかりと子供たちに寄り添っている呉校の先生方の姿を見させていただいて、家庭学習研究社に入って本当に良かったと思いました。ありがとうございました。