娘は5年生まで通信教材で受験勉強をし、6年生から家庭学習研究社にお世話になりました。中学受験を振り返って思うことは、娘が初めて直面した厳しい世界だった、という事です。
学習内容は学校の授業とあまりに異なり、理解するには高度で抽象的な思考力が必要です。また、塾の予習復習の時間を確保したり、塾の教材を管理したりする能力も必要で、まだまだ成長途中の娘に対しては親の見守りとフォローが必要に思われました。
そして、長い時間勉強して頑張っているように思えても、その成果をテストで出せなければ、テストの点数も順位も志望校判定も上がりません。学校のテストと異なり、あくまで相対評価で、客観的な数字が表示されるのです。親が中学受験を勧めたばかりに、娘には荷が重い生活をさせているのではないか、と迷い続けました。
先生方には、成績が伸びずに悩んでいるときに親子共々相談にのって頂きました。また、 受験校の選定でもアドバイスを頂き、それまで選択肢に無かった学校の魅力にも気付く事が出来ました。
いよいよ受験を控えた1月のことです。「こっちの選択肢は正解になっているけど、これは平等権と矛盾しないの?」「両生類にカメを書いたら×だったけど、そうしたらカメは何類?」などと、娘が話すようになりました。ひたすら問題の答えを覚えるのではなく、一歩進んだ問題へのアプローチをするようになった事に驚き、近すぎて気付かなかったけれど、娘なりに成長している、と分かり嬉しかったです。
そして、本番1週間前の実戦テスト。冬の成果を出そうと焦りすぎたのでしょうか、算数の答案が半分真っ白でした。私はその出来よりも、娘がくやしくて泣き出した事に驚きました。娘はその日、電話で先生と話をして気持ちを新たにし、「二度と時間配分をミスしない」と誓い、それ以後毎日、完全チェックとは別の時間に、過去の小テストを20分以内で8割得点する、と決めて解いていました。また、入浴時と通学時を除き、就寝時も腕時計をはずしませんでした。
入試は3日連続で、あっという間に終わりました。最後の入試が終わって帰ってきた時、まだ1校しか結果が出ていませんでしたが、「やるだけのことはやったから、後の2校が落ちていても悔いはないよ」と遅い昼食を食べながら話してくれました。色々と躓きながらも諦めず、11歳で「全力を尽くした」という達成感を得られたのであれば、やはりこの1年は無駄ではなかった、と思えました。
未熟な親子を支え続けて下さった先生方に、改めてお礼を申し上げます。お忙しい中、長い電話にもお付き合い頂き、また面談でも色々と相談に乗って頂き、そして何より娘の頑張りを認めてアドバイスを頂き、本当に有難うございました。