三年前兄の受験を見て、娘は四年部から同じ家庭学習研究社へ行きたいと言いました。通塾時間が掛かること、習い事を沢山していることを考え、四年部は土曜コースを勧めましたが、何度聞いても娘は、週三コースが良いと言い、通塾が始まりました。
初めは、知らない子ばかりで緊張していましたが、自分から声を掛けてみるようにアドバイスすると、次第にお友達が出来、毎回塾へ行くのを楽しみにしていました。
四年部は二科目なので、習い事と両立していましたが、成績は良いものではありませんでした。ただ、息子の受験の経験から、自立して勉強が出来るようになって欲しいと思っていたので、娘には出来るだけ口出しはせず、見守るようにしていました。四年部の終わり頃のテストは良い成績だったので、五年部の良いスタートが切れました。
ところが、五年部になると、四教科になり、時間に追われるようになりました。娘は、親から見ると、理解するのに時間が掛かるタイプで、要領が良い訳でもありませんが、真面目にコツコツ頑張る性格です。ですから、習い事も徐々に減らしていき、友達と遊ぶことも少なくなってしまいました。本人は我慢している様子もなく、楽しく塾に通っていましたが、親としては、小学生らしい生活とは言えず、これで良いのか考えることが何度もありました。五年部の成績は比較的安定していて、時々成績優良者に載ると、親子で喜んでいました。
六年部になると、特訓も始まり、ますます時間に追われるようになりました。塾以外の習い事はピアノだけになり、受験一色の生活となりました。やるべき事がとても多く、予習復習以外の時間が中々取れませんでした。それでも娘は嫌になることもなく、毎日コツコツ勉強を続けました。学校のテストはほぼ百点だった娘ですが、塾の勉強は真面目にやっているはずなのに、平均点さえ取れないことが多々ありました。特に算数は一番時間を掛けて勉強し、毎回質問に行っているのに、中々出来るようになりませんでした。理科の計算も苦手で、最後までこの二科目が課題となり、学校と塾・受験では、こんなにも違うものかと痛感しました。それでも娘は算数が嫌いになることもなく、勉強を続けました。親から見ても、本当に良く頑張ったと思います。毎日、出来ても出来なくても、疲れていても、時間がなくても、ひたむきに頑張り続ける姿を見て、娘は私が願った、自立した勉強が出来るようになったのだと、嬉しく思いました。
娘は最後まで自分のペースで勉強を続け、入試を迎えました。本人が言う通り、焦ることも緊張することもない様子でした。今年は入試会場での先生方の応援がありませんでしたが、お友達のお陰で、試験当日も落ち着いて試験に臨めたようです。女学院の試験後、娘は前を向いて、明るい表情で出て来ました。それを見て、結果は分からないけれど、娘は入試で自分の力が出せたのだと、ホッとすると同時に、頼もしく思いました。帰宅後、娘の方から、「算数はあまり自信がないけど頑張った。国語は21ページもあったけど、全部解けたよ。マナビーテストで間違えた問題も出来たし、試験前に見た『漢字とことば』の漢字が出たよ。社会が予想より難しかったから、理科の計算に時間を掛けたら、解けたよ。」と話しました。試験中に冷静に作戦を考えて解けたことに驚きました。いつの間にか娘は、私が思う以上に成長していました。
試験も緊張しなかったと言っていた娘ですが、女学院の合格発表の日、画面を開くのに30分も掛かりました。合格が分かった瞬間の泣きながら喜ぶ娘の顔を見て、ここまで頑張って来て、本当に良かった。娘は自分の努力で合格を掴んだのだと思いました。
家庭学には、息子と娘の四年間お世話になりました。二人とも、受験が終わった後も、自分からするべきことを見つけて勉強しています。自ら学ぶ姿勢が身についたことを嬉しく思います。共に頑張るお友達が出来たことも、娘の宝物になりました。様々なことがあった四年間でしたが、親子共に色々な経験が出来、学ぶことが多くありました。今日から、また新たなスタートです。子供達には家庭学で身につけたことを糧に、充実した学校生活を送って欲しいと思います。
最後になりましたが、広島校の先生方、子供達を指導し、支えて下さり、ありがとうございました。親子だけではここまで来ることは出来ませんでした。本当にありがとうございました。