「2週間でたった7つ? ペースを考えて取り組みなさい」
6年生の十一月下旬、息子の社会のアタックノートに書いていただいていた、実に的確な御指摘です。
息子は社会がひどく苦手でありながら(地理が覚えられない)、歴史に至っては「なんで昔のことを覚えないといけないのかわからない。今のことがわかっていれば生きていられる」などとこまっしゃくれた口を利き、怠けを正当化する日々が続いていました。そんな状態で社会の「最終チェック」に取り組むも、わからないことだらけで時間がかかり、一ページの半分以上が×という有様でした。親はほとほと情けない気持ちでしたが、本人もそうだったのでしょうか、このアドバイスをいただいた後、やっとエンジンがかかり、なんとか冬休みまでに最低限の2周分をやり遂げ、基礎知識を整理することができました。
さて受験が終わって、たくさんの紙の束を縛り、資源ごみに出しました。その途中、5年生の頃のテストの答案が発見され、見ると、社会の先生から「アタックの範囲をしっかりやること」と同じ赤ペンで同じアドバイスをいただいていました。笑ってしまいました。先生は丸2年間、息子がちっとも進歩しないにもかかわらず、辛抱強くアドバイスを送ってくださっていたわけです。
家庭学習研究社は、子どもに無理を強いません。小学生らしい生活をしながら、行きたい学校という目標があるのなら、勉強をしっかりがんばってごらんと促してくださる塾です。息子はずいぶんそれに甘えていました。実に小学生らしく健康的で、自分に無理を強いない暮らしをしていました。授業は理解しているようだったので、なんでも「ちょっとやればできる」と内心思っていたのだと思います。甘い。親は長い間内心焦っていました。これでいいのか、と(いいわけがありません)。
しかし、そんな息子がいよいよ自分から「やらねば」と思い始めた時(それは6年の冬でした)、彼の手元にはちゃんと基礎をふりかえりながら演習できる教材が適量、ととのっていました。これだ、と思いました。今の彼に必要なものをちょうどよくいただいている。この塾は子どもを追い込まない。自分からプリントやテキストに取り組み、できなかった箇所を克服して満足そうにする息子の姿を私たちはとうとう見ることができました。
「間に合わない」「やり終わらない」と不安そうにする姿はまったくありませんでした(これは予想外でした)。息子は「この教材をしっかりやれば合格する力がつく」という先生方のことばを素直に受け取り、受験までの(親が、落ち着かない)日々に、迷うことなく着実に力をつけていったのだと思います。これはとてもありがたいことでした。あまり塾のことは喋らない子どもでしたが、先生方のシンプルで的確なアドバイスは彼の中にしっかり根付き、彼の支えになっていたように感じます。
彼の中学受験シーズンは予想していたよりもずっと穏やかに進み、そしてありがたい結果に恵まれました。子どもを見守り、的確なアドバイスを適切なタイミングで送り続けてくださった先生方に感謝申し上げます。これから中学生になり、彼の持ち前ののんきさと怠け癖がもっと強大に育ってくると覚悟しています。が、机についてこつこつ勉強していた冬の姿を思い出し、彼を信じて小言を我慢し、アドバイスを適切に送れる親であろうと今は思うのでした。
はるか昔、私自身も家庭学習研究社三篠校に通い、志望校合格に導いていただきました。変わらない雰囲気に、いつも安心していました。これからのますますのご発展をお祈りしています。