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2021年度の作品

No.9 『 我が子の受験を振り返って 』  
           清心中・女学院中・安田女子中・なぎさ中/Tさん

 娘が家庭学習研究社に最初にお世話になったのは、小1の夏期講習でした。授業を終えて第一声が「すごく楽しかった!」でした。低学年のうちは短期講座がある度に、楽しみにしていました。ハサミを使ったり、パズルをしたり、娘にとっても遊びの延長のようなものだったのだと思います。

 三年生はジュニアスクールで、四年生は土曜テストコースや「たのしい理科社会」で、その時々で、友達もでき、楽しく通っていました。しかし、五年になり、本格的に四科目になると、土曜コースとはいえ、遊びの時間は減り、そのストレスもあってか成績も下降していきました。やる気もなくなってしまい、受験自体をやめたい、と言い始めました。

 自分が小学生の頃は何をしていただろう。私は常に公園で遊んでいるような子供時代でした。そもそも、夫も私も中学受験の経験もありません。本当に受験はこの子のためになるんだろうか。本人が嫌だと言ったらもう続けるのは無理なんじゃないだろうか。でも、四年生の時に行った文化祭で、あんなに目を輝かせて「行きたい!」と行った中学校は、受験しなければそもそも合否の判定すらもらえません。今、塾をやめてしまって、あとからやっぱり頑張りたいといったところで間に合うんだろうか。
「自分で最後は決めることだけど、すぐに決めるんじゃなくて、よくよくメリットやデメリットを考えて決めてね。」
やっとのことで言いました。冷静さを装っていた私ですが、動揺していました。

 結局、あれだけやめたい、と言った娘が、
「私、週三日コースに行ってみようかな。」
と言い出し、五年生の秋からは己斐校に通い始めました。
ただ、この時は「行ってみて、辛かったらやめるかもしれない」と逃げ道を作った上で、「どんな感じか行ってみたい」ということでした。

 しかし、予想以上にこの通塾が娘には合っていたようで、友達ができ、授業が面白く、毎回塾を楽しみにするようになりました。成績が上がっていくと、それがまた嬉しくて、また次の励みにもなったようです。とはいえ、六年生の冬休みまで、計算ミス、苦手分野の理解度の甘さ、漢字ミス、読み間違い、それはもう様々な要因で、ずっと成績は上がったり下がったりとジェットコースターのようでした。この下がったタイミングと受験当日が重なったら、ひどい結果になってしまうのでは……。といつも不安で、ジェットコースターが下にくるたびに娘は先生に質問に行き、親の私は先生に相談させて頂き、本当に先生方には親子でお世話になってしまいました。

 しかし、そうやって先生に何度も質問に行ったり、友達と励まし合ったりといった事の積み重ねによって、気が付けば、いつのまにか娘は親が思う以上に成長していました。自分でなぜ間違えたのか問題点をノートに書くようになり、次のテストで●●に気を付ける! と、自分で書いて目標を立てるようになっていました。「●●さんの勉強のやり方が良さそうだから私もやってみようと思うんよ」と話してくれることもありました。

 一時期は受験をやめようか迷っていた娘ですが、今は「あのときやめなくてよかった!」と言います。それは憧れの学校に合格できたからだけではないということが、今の娘の晴れ晴れとした表情から見てとれます。子供にとっても、見守る家庭にとっても、初めての中学受験は大変なこともありましたが、得たものも大きく、貴重な体験となりました。そして夜の補習には出ず帰る娘を、温かく毎回見送って下さった先生方、どんな小さな質問や相談にも親身になって下さった先生方には、感謝しかありません。本当にありがとうございました。  

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