娘が挑戦し続けた三年間は、中学受験の経験がない私の学びに対する反省の場でもありました。まだ十歳の子供がこれから初めて臨む大きな挑戦をどうサポートするのか、勉強内容にどこまで関わるのか試行錯誤でした。親が感覚的に「あら?おかしいな」と感じた時、娘が抱える苦しみや不安を号泣しながらも全部吐き出させ、しっかり聞いて解決策を一緒に考えることをしました。そうすることで六年生になると気持ちも安定してきました。
まず初めに、基礎の単元を丁寧に学習することからでした。わからないところをそのままにせず、先生や親に質問して理解したい気持ちを持たせることです。親が教えると「なんでわからんの?」と言いがちですが、娘からすると責められているように感じ、泣きながら勉強することもありました。親が反省すべきことでした。
五年生の懇談で先生から「テストの点数や順位にこだわりすぎている。大事なのはどんな間違え方をしたか反省し、次につなげることです。」と、アドバイスをいただき親もハッと気付かされました。テストの順位が良ければ褒め悪ければ叱る、結果を気にしていたのは親の方でした。
それからは、娘はテストの度に緊張しなくなり気持ちの切替えができるようになりました。以前多かった計算ミスや問題の読み間違いなども減ってきました。テストの振り返りを繰り返す中で、娘自身が勉強した分だけ結果に出るのだと判ってきました。親も娘に丁寧に向き合うことが大事だから諦めないでやってみようと励ましました。娘はプリントに書かれた「自分ひとりでねばり強く考えよう」を実践し、何度も間違えながら解いていきました。
次に、娘の意見を優先し二週間単位の学習チェック表を一緒に作り、娘自身が何をするのか明確にすることでした。五年生までは、なかなか勉強を始めない娘に内心イライラする時期もありました。親に言われて勉強を始めるとやる気が出ない事や勉強しても記憶に残りにくい事がありました。その為、間違えが多くなったりわからなかったり、親子でストレスが増すばかりでした。
娘から「よし、やろう」と言うまでグッと我慢が必要でした。娘もやらなくてはいけないと頭では分かってはいるものの、なかなかスイッチが入らない。そんな時は私も娘のテキストを開き「この問題は難しいね、わかった?」と娘に聞いたりすると、その流れで自然と勉強を始めました。六年生になると時間管理ができ、気分転換も上手にしていました。親は娘が決めた学習チェック表の進捗を確認するだけでした。
最後に、娘の考えを言わせる事をしました。あくまでも勉強は娘がするものです。親が介入し過ぎると親が言うから勉強するという気持ちになりかねないため、娘の意見は尊重しました。生活する中で娘に色々な考え方を示して、娘自身が考え結論を出し、結果を受け入れる事を繰り返しました。塾も数ある中からそれぞれの特徴を示し、娘が自分で選んで決めました。
五日市校の先生方に全幅の信頼をおく娘は、勉強以外に不安なことも相談しアドバイスを頂いていました。そのおかげで精神的に安定し考え方も成長したと思います。ありがとうございました。
娘にはこの中学受験の経験を活かし「自分が決めた学校」で、夢に向かって何をすべきなのか自分自身で考え行動し、学校生活を楽しんでほしいです。親ができることは、つかず離れずのサポートをし、努力を褒め、判断するための様々な情報を丁寧に伝え本人に決めさせることだと考えています。結果的に娘の自立に繋がればいいと思っています。この三年間、成長する姿を見せてくれた娘へ尊敬と感謝の気持ちでいっぱいです。