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2023年度の作品

No.8 『 息子へ伝えたいこと 』 学院中・修道中・国際学院中/Tさん

「僕は、最後までやり遂げる。だから家庭学習研究社に入りたいんだ。」
長男を入塾させて2年が経ち、毎日の課題が増え、送迎にも疲れてきた頃、次男から言われた言葉でした。いつもならすぐにオッケーを出す私ですが、この時ばかりは悩みに悩んだのを覚えています。

 我が家は共働きで、朝は早くに出勤し夜勤も月に数回あるため、塾が終わる時間になると親である私の方がウトウトし始め、とてもじゃないですが帰宅後の勉強に付き合えるような体力は残っていません。毎回、「お帰り」が言えるのがやっとの状態でした。しかし息子は言葉のとおり、自分がやるべき事をしっかりとやってくれていたように思います。「宿題やりなさい」「いつになったら勉強するの?」「「明日からゲーム禁止!」どの言葉もかけることなく受験を迎えることができました。

 ここまで書くと周囲からは羨ましがられるかもしれません。隔週実施されるマナビーテストに一喜一憂することはありましたが、こんなにも楽な受験生の親でいいのだろうかと私ですら思っておりました。塾でも友達が増え、目指す学校が一緒だと分かると切磋琢磨し合い、良い意味でのライバル心を抱きながら頑張ってくれる息子を見て、目指す先は中学受験なのだと思っていました。

 しかし、息子はまだ小学六年生。現実は、みんなと遊ぶ時間が欲しいし仲良しの友達がいる中学校に通いたい。日頃は、泣き言一つ言ったことのない息子ですが、一度だけ泣きながら本音をぶつけてくれたことがありました。受験が始まった1月上旬でした。息子の事を、全て分かったつもりでいたはずでしたが、「やっぱりそうだよね」と思う気持ち半分、「今さら……」という気持ちも大きかったです。その時ばかりは私の力ではどうすることも出来ず、すぐ塾へ電話をかけ、先生方のお力を借りどうにかモチベーションをあげてもらい解決することが出来ました。目標にしていた学校の受験まであと15日に迫った夜の出来事でした。

 受験当日は、とても寒い朝でした。親の私に出来ることは、体調管理に努めてあげることと、ただひたすら祈ることだけでした。受験が終わる直前まで、息子が全力で頑張れますようにと祈り続けました。

 幸いにも、3校から合格を頂きました。どこの学校に行くのかソワソワしている私に、「学院に決めた!」と一言。それを聞いて、少しホッとした私。それでも地元の中学校に行きたい気持ちは今でもきっと変わらないことでしょう。少しずつ反抗期をむかえ、全てを語ってくれなくなった息子なので今の本当の気持ちを聞くことはできませんが、このGETを通して母から息子へ伝えたかった言葉を送ります。

「これから待つたくさんの友との出会いや学校生活が、あなたにとってかけがえのない存在になりますように……」

 小学3年生の冬、本人の意思で塾の扉を叩き、そこで待ち受けて下さっていた先生方にここまで成長させて頂いたことにとても感謝しております。

「お母さん、今までありがとね」

 受験の結果が全て出そろった日の夜、息子が私にかけてくれた思いがけぬ言葉。人としても成長してくれていたことに幸せを感じ、隠れてコッソリ涙を流したことは言うまでもありません。

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