「サンタさんへのお手紙書いたの?」 と、母がクリスマス前に言った。ぼくは、まだ書いてなかったので急いで、
サンタさんへ
クリスマスのプレゼントは、学院へのパスポートがほしい。
と、手紙を書いて枕元に置いておいた。
ぼくの第一志望は広島学院。
五年生の時に初めて文化祭に行った。そこで金魚すくいがあり、二匹つれた。ボンバス、JRに乗り、ビニール袋から飛び出さないように、ひもをしっかりにぎりしめ、ゆっくりゆっくり歩いて帰った。家に着き、水そうの中に入れた。二日後、一匹死んでしまった。大事に連れて帰ったのに、とても残念だった。ぼくは学院に合格しないのではないかと不安になった。しかし、あと一匹生き残っている。大切に育てようと心に誓った。その金魚を「学院金魚ちゃん」と名付け、毎日お世話をした。
そして、今年の文化祭。また金魚すくいがあった。ぼくはたくさんすくったが一匹しか連れて帰れなかった。今年も会えた学院金魚ちゃん。また去年と同じように大事に連れて帰った。
そして、学院金魚ちゃんのいる水そうに入れた。「学院金魚ちゃん二号」と名付けた。水そうの中で、のびのびうれしそうに泳いでいる。まるで、「がんばれー!」と応援してくれているようだ。ぼくは、応援にこたえられるように、「あと三カ月がんばろう。」と思った。
まず、先生に言われ続けてきた「ていねいさ」を心と頭に刻んだ。ぼくは残念なことに、「字のきたなさ東広島校ワースト3」に入ってしまった。ぼくなりに気を付けてきたつもりだった。それで何が原因なのか、もう一度考えてみた。 一つ目、急いで書こうとすること。 二つ目、書く時、自分の字を見ながら書いていないこと。
この二つのことに思いあたったのだ。それからは、このことに気を付けて勉強するようにした。すると、先生から「ていねいに」とノートに書かれることが減ってきた。ぼくはうれしくなり、この調子でがんばろうとやる気が出てきた。
次のノートには「ていねいに書けるようになりましたね。この調子でがんばろう!!」と書いてあった。ぼくは飛び上がって喜んだ。ほめられると本当にうれしい。ぼくは、ますますやる気が出てきた。
クリスマスから約一か月後、サンタさんから学院へのパスポートのプレゼントが届いた。ぼくの頭の中には鯛が舞っている。念願の夢がかなった。「合格まで応援してくれてありがとう。」と金魚ちゃんたちに向かって言った。
先生の言う通りにしてよかった。最後まで根気よく指導してくださった先生方、送り迎えをしてくれた両親、一緒にはげまし合い、受験を乗り切った友達。たくさんの人に感謝です。
サンタさんへ
学院へのパスポートがぶじに届いたよ。おかげで、研究者になるという夢に一歩近づけたよ。ありがとう。