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2018年度の作品

No.1 『 僕の受験の戦い方 』
               広大附属中・県立広島中・修道中/Sくん

「自分に勝てなかった。」
受験が終わって一ヶ月が過ぎました。今年の冬季オリンピックは悪天候が続いて、多くのスノーボード選手が転倒しましたが、インタビューを聞くと誰も天候のせいにしていませんでした。一流の選手は、風やライバルの選手ではなくて自分と戦っているのです。
 両親の勧めで六年生から塾に通うことになりました。塾で友達はできるだろうか?勉強についていけるだろうか?と不安でいっぱいでしたが、小学校の友達よりも大人びた友達ばかりで、とても刺激になりました。また塾での授業はとても新鮮で、通塾する日が待ち遠しいくらいでした。
 しかし、成績は良かったり悪かったりを行ったり来たりでした。夏休み前頃には、「疲れとる」と言い訳ばかりをしていました。僕は二年生からソフトボールのチームに入っていて、六年生からはキャプテンになったので、塾のない日は練習や試合があり、勉強ができないことをソフトボールのせいにしていたのです。また、僕には小さな弟や妹がいて、勉強中も「遊ぼうよ」としつこく誘ってくることが多く、兄弟のせいで勉強ができないと言い訳していたのです。
 そんな僕を見て母が
「受験は自分との戦いじゃろ。ソフトボールや人のせいにするんなら受験勉強やめればいいよ。」
と言いました。考えてみると、ソフトボールを続けると決めたのも自分です。受験のことがわからない弟や妹が遊びたがるのも当たり前のことです。ちょうど夏ごろにソフトボールリーグでの二位が決まり、次は受験だと意識し始めたので、これからは言い訳をしないと決めました。
 ソフトボールがある日は最初から勉強時間を少なめに決めておき、ソフトにも勉強にも集中するようにしました。弟や妹がいるときは、社会の暗記に取り組み、できるだけ遊ぶようにしました。算数や国語などの時間がかかる科目はみんなが寝た後に解くようにしました。また、予習や授業でわからないことがあれば、その日のうちに先生に質問して疑問を家に持ち帰らないようにしました。
 入試前日はいつも通り過ごせましたが、当日は初めての受験だったのでとても緊張しました。試験は難しく、落ち込んだまま家に帰ると玄関に、
「おつかれ。がんばったね。できなかったとこは後でふくしゅうして次もがんばれ!」
と弟からの汚い字で書いた手紙が置いてありました。僕の受験のために旅行や遊びを我慢してくれたのに、僕を励ましてくれる優しさに、弟のためにも最後まで諦めずに頑張ろうと思いました。
 今は弟や妹としっかり遊び、オリンピックをテレビで観戦したりゆっくりした時間を過ごしています。弟が中学受験をしたいと言ったときは、僕と同じ学校に合格できるように全力で支えたいと思います。
 最後になりましたが、広島校の先生方、事務の方のお陰で楽しく塾に通うことができ、第一志望に合格することができました。心から感謝しています。そして支えてくれた両親、弟、妹にありがとうと伝えたいです。

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