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2018年度の作品

No.7 『  ぼくの中学受験ドラマ 』 修道中・近大附広島中東広島/Hくん

ぼくは二年生のころ友達に誘われ学院の文化祭へ行きました。その時、
「ここへ行きたい。」
と思いました。次の年もオープンスクールや文化祭へ行くとその気持ちが強まり、四年部から家庭学習研究社に入ることになりました。最初は宿題をこなすのがやっとで、わからないまま帰ってくることが多かったです。でも授業が楽しく、塾へ行くのは楽しみでした。
 五年生になりクラス分けが始まると下のクラスでした。そのうえ二週間ごとにあるテストではなかなか百位以内に入ることができなくていつも成績はジェットコースターのように上になったり下になったりしていました。
 六年生の夏は母から苦手科目もやるようにと忠告を受けていたのに聞かずに自分なりの勉強をやるんだ、と苦手科目にあまり力をいれていませんでした。自分の中では苦しい勉強をしたつもりでしたが、夏休み終わってからも成績は下がる一方でみんなががんばっている中、自分だけ置いてきぼりにされていると感じました。
 九月に入ってあきらめの気持ちが強くなり、
「もう塾やめたい。どうせ勉強したって、オレはダメなんじゃろ。」
と母に八つ当たりしました。そして家族で話し合い、その日あった塾を休むことにしました。休んで一日中勉強を全くせず過ごしてみたらなぜか勉強のことがすごく気になり、T先生から「自信を持ったらできる。」と励ましの言葉をもらい、やめずに続けようと気持ちを切り替えました。ゲームもテレビも見ずに目の前の課題に取り組みました。それでも成績は急に上昇することはなかったけれど学院に行きたいと思う気持ちは変わりませんでした。
 そしてむかえた受験当日。前日は緊張で眠れませんでした。試験を終えると持っている自分の力は出し切ったので、後悔はなかったけれど自信は全然ありませんでした。試験会場から帰るときやっと終わったホッとした気持ちと、この教室で勉強ができたらなぁと思っていました。学院の結果は不合格でした。ぼくには高すぎる目標だとわかっていたつもりだったけれど。ショックは大きくて涙が出ました。前日には修道の補欠の結果をもらっていましたが、あきらめていました。ぼくは学校から帰ると気分を晴らそうとすぐ遊びに行きました。家に帰り、ドアを開けると
「おめでとー!」
と家族全員が声をかけてくれ繰り上げ合格したことを知り、みんなで泣いて喜びました。
 第一志望は合格できなかったけれど、繰り上げでも合格をもらえた事はうれしかったです。ぼくは何度もくじけそうになったけれど一緒に頑張っている友達や応援してくれる先生や家族のことを思い出して最後まで戦えて本当に良かったです。中学受験を通して、悔しくて涙を流したことと、うれしくて涙を流した経験は、ぼくは一生忘れないと思います。

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